スポットワーク仲介最大手のタイミーは6月6日、働き手のスキルや経験に応じて高時給の求人が届く新機能を発表した。スポットワーカーの賃上げに加え、事業者が即戦力の働き手を採用しやすくする。700万人以上が登録するタイミーは、スキルや実績が正しく評価、蓄積される仕組みを構築し、サービスの差別化を図る。

  • ワーカーアプリ画面・事業者管理画面 イメージ

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スポットワーカーの賃上げを後押し

新機能の名称は「バッジ限定お仕事リクエスト」。これまでのタイミーでの勤務において、事業者から「良い働きをした」と多くの認定を受け、「バッジ」を保有している働き手に対して限定的に求人を公開することができる機能だ。事業者は各都道府県の最低賃金よりも約200円以上高い時給を設定することで、バッジの保有者に限定して求人を公開することが可能。

従来のシフト制アルバイトでは、長期間同じ職場で働いていても時給が上がりづらかったり、時給が上がったとしても別の職場で働く際には都度リセットされてしまうといった課題があった。新機能により、働き手にとっては、タイミーの勤務で蓄積された実績が、時給の向上という形で還元され、待遇の向上につながるとしている。

  • 「バッジ限定お仕事リクエスト」イメージ

    「バッジ限定お仕事リクエスト」イメージ

また、事業者にとっても求めるスキルや実績がある即戦力の働き手を必要な時にピンポイントで採用することができるようになる。例えば、飲食店では予約がたくさん入っている週末、スーパーでは客足の多いセールの日などに、事業者は優秀な働き手をピンポイントで採用でき、店舗の売上機会の損失の抑制につなげることができる。

タイミーによると、2024年4月時点ですでに累計100万個以上のバッジが働き手に付与されている。すでに先行して新機能を利用している東京都内の事業所の中には、同機能によって初めて時給1300円以上の求人を公開し、働き手がマッチングして勤務したケースもあるとのことだ。

タイミーの背中を追うメルカリ

スポットワーク業界は急成長している。スポットワーク協会によると、登録会員数は5月末時点で約2200万人となった。タイミーの背中を追うのはメルカリだ。同社は5日、スポットワークサービス「メルカリ ハロ」の登録者数が、サービス提供開始から3カ月弱で登録者数が500万人を突破したと発表した。

  • メルカリが手掛けるスポットワークサービス「メルカリ ハロ」は登録者数が、サービス提供開始から3カ月弱で登録者数が500万人を突破した

    メルカリが手掛けるスポットワークサービス「メルカリ ハロ」は登録者数が、サービス提供開始から3カ月弱で登録者数が500万人を突破した

メルカリ参入以前の直近1年間で、スポットワーク業界全体の新規登録者数が320万人だったことを踏まえると、メルカリ ハロの成長スピードは異例と言えるだろう。

タイミー代表取締役 CEO(最高経営責任者)の小川嶺氏は2月の記者会見で「大きなパラダイムシフトが起きており、こらからも新規参入が増えてくるはず。当社は変わらずに『はたらくを通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる』というミッションのもと、圧倒的なポジションを築いていく」と述べていた。

  • タイミー 代表取締役 CEO 小川嶺氏(2024年2月)

    タイミー 代表取締役 CEO 小川嶺氏(2024年2月)