博報堂DYホールディングスは6月4日、これまでそれぞれの領域で個別に扱われていたデータやツールをかけ合わせ、統合マーケティング戦略立案やビジネス開発支援、社会課題解決のアクションを生み出す新しい統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」を発表した。マーケティングプロセスの高速PDCA化と高度化を実現し、企業の価値創造を支援する。
博報堂DYホールディングスが開発した「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、メディアビジネスやデジタルマーケティングなどのマーケティング領域での活用はもちろん、クリエイティブ制作支援領域、販促・CRMなど、コマース、流通領域までを含む顧客接点をワンストップで統合・管理できる、新しい統合マーケティングプラットフォーム。博報堂DYグループが保有するデータや先端テクノロジーを掛け合わせ、AI技術を活用した領域横断による新しいコミュニケーション開発やビジネス創造を実現する。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、その中心にマーケティング戦略を描く「STRATEGY BLOOM」をおき、これにメディア効果を最大化する「MEDIA BLOOM」、生活者によりよいクリエイティブを提供する「CREATIVE BLOOM」、生活者のよりよい買い物体験を支援する「COMMERCE BLOOM」、生活者との新たな関係を構築する「ENGAGEMENT BLOOM」の5つのモジュール群が相互に連携しあうことで機能する。
【「CREATIVITY ENGINE BLOOM」のサービス体系】
これらを支える仕組みとして、アルゴリズムやロジックを構築する独自のAI技術「Human-Centered AI機能」を開発した。この機能は、2024年4月に新設した、人間中心のアプローチでAI技術の先端研究開発を行う「Human-Centered AI Institute」の研究成果も活用し、今後さらに進化を予定している。
博報堂DYグループが有する膨大な生活者データを装備した「生活者データプラットフォーム」や、プラットフォーマー、クライアント企業のデータとも連携する仕組みを構築しているほか、博報堂DYグループ内の社員、多様なクリエイティビティを持つ人材同士をマッチングし、新たな関係価値を構築する「Creators community」などの機能も開発するとしている。
まずは自社グループ社員での利用を開始し、クライアント企業への統合マーケティング提案プロセスの効率化・高度化を実現。異なるクリエイティビティを持つ博報堂DYグループの人材やスキル、ナレッジを重ね合わせ、より進化したマーケティングビジネスを実現し、クライアント企業の事業創造や新たな市場へのチャレンジをより強力に支援する。
さらに中長期的には、クライアント企業へのツール提供サービスも見据えて、プラットフォーム開発に取り組んでいく考えを示した。
博報堂DYグループは、昨今のビジネス環境が激変する中で、自社グループが戦う領域や収益モデルなど、あらゆる面で大きな変革が必要と認識。大きな変革の岐路において、2024年度からの新中期経営計画では、「従来の”広告会社グループ”の枠を超え、”クリエイティビティ・プラットフォーム”へ」と進化していくことを定めた。これまで培ってきた生活者を起点としたクリエイティビティをエッジに、生活者・企業・社会をつなぎ、新たな関係価値を生み出すことで、未来を創造するグループを目指すとし、この提供価値を実現するコアエンジンとして「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の開発に至ったとしている。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、博報堂DYグループの「統合マーケティングプラットフォーム推進室」がグループ各社と連携し、グループ全体の戦略的ビジネス課題に対応するプロダクト企画を推進。高度なテクノロジーリソースを持つ博報堂テクノロジーズがその開発・実装を担っており、今後もマーケティングビジネスを支援するプロダクトサービス、およびツール開発を両者一体となって推進するとしている。