米Dell Technologies(以下、デル)は、同社の年次カンファレンス「Dell Technologies World 2024」(5月20日~23日、米ネバダ州ラスベガス開催)において、AI(人工知能)ワークロードを高速化する[ラップトップPC「Copilot + AI PC」(https://news.mynavi.jp/article/20240521-2950069/)を発表]した。高速なNPU(Neural Processing Unit)を内蔵するQualcomm製のチップセット「Qualcomm Snapdragon X」シリーズを搭載し、省電力性能による長時間バッテリ駆動が特徴だ。同社では「Dell AI Factory」を構成するポートフォリオの一環」と位置づけている。
今回発表したのは以下の5機種だ。
- 「XPS 13」:Qualcomm Snapdragon X Elite 12コア搭載。バッテリ駆動時間は最長27時間
- 「Inspiron 14 Plus」:Qualcomm Snapdragon X Plus搭載。バッテリ駆動時間は15.5時間
- 「Inspiron 14」:Qualcomm Snapdragon X Plus 8コアまたは10コア搭載
- 「Latitude 7455」:Qualcomm Snapdragon X Elite 12コア搭載。バッテリ駆動時間は最長21時間
- 「Latitude 5455」:Qualcomm Snapdragon X Plus搭載
「Copilot+ PC」とは、Microsoftが提供するAIアシスタント「Copilot」のワークロードに最適化したWindows PCカテゴリを指す。OSはWindows on ARM版で、Copilotは「Windows OSの標準機能」との位置づけだ。今回、発表した5機種は「Copilotを活用するのに最適なPC」(デル)だという。毎秒45テラ演算(TOPS)のNPUにより、AIタスクをより効率的に実行する。
「昨日やってたアレ出して」でAIが判断
基調講演2日目にはMicrosoftのWindowsマーケティング担当副社長であるマット・バーロー(Matt Barlow)氏がゲストで登壇し、Copilot+ PCがもたらす生産性向上について説明した。
バーロー氏はCopilot+の目玉機能として「Recall」を挙げた。同機能はSnapdragon搭載のCopilot+ PCでのみ利用できる機能で、PCで行ったすべての作業を記憶し、ユーザーの検索に応じてファイルやアプリケーションを呼び出す。その仕組みはこうだ。
画面上のスナップショットを5秒から10秒ごとに記録し、それをローカルに保存する。そしてユーザーの自然言語プロンプトをAIが分析し、スナップショットから関連するアプリケーションやドキュメントの該当部分を表示する。