【高度化を深化】MonotaRO 田村咲耶社長「3本柱で成長を加速 SC・利便性・高度化を追求」

MonotaROの成長が止まらない。5月に発表した24年1-3月期(第1四半期)の国内売上高は前年同期比11.2%増の662億8800万円だった。営業利益も同12.3%増の93億500万円と2桁成長を維持している。

 

海外事業を除く今年度の単体売り上げは前期比12.4%増の2735億4900万円の見通し。前年と比べて300億円超の増収だ。

 

純第1半期においては、大企業連携による売上高が前年同期比30.4%増の208億3100万円と大幅に伸びた。

 

同社の田村咲耶社長は今年2月末に、今後の成長戦略などに関するラウンドテーブルで、「サプライチェーンでダイナミックな成長をしたい」と話す。

 

成長戦略のカギはSC(サプライチェーン)の最適化と利便性の追求だ。これらを深化させる高度化を取り入れた3本柱で攻勢を図る。

 

特にマーケティング戦略においては「Micro」「Small」「Mid」「Large」と顧客セグメントを四つに分け、それぞれで施策を進める。カテゴリー分けは、顧客の特徴や利用状況、売り上げ比率などをもとに行っており、それぞれの施策でどのような成果を上げるのか注目が集まる。

 

「Micro」は対象顧客のLTVを加味した上で、ダイレクトマーケティングを推進。「Small」は購買拡大のためのパーソナライズ化や統合マーケティングを進めていく。「Mid」は、新規ユーザー獲得策に向けてチラシなどを活用し、「Large」は、営業体制を強化しつつ、企業の調達プロセスや課題などの理解して効率的な営業活動を行っていく。

 

次の成長に向けて25年5月には、茨城・水戸市に新たな物流施設「新関東DC」を着工する。出荷能力は1日30万個、在庫能力は50万SKUを予定し、すでに稼働中の物流施設「笠間DC」と比べて生産性を3倍にしていく計画だ。

 

今期中の施策として、当日出荷の締め切り時間の延長にも取り組んでいる。今年5月末から、配送サービスレベル向上を目的に、置き配サービスもリニューアルする。

 

これまでの置き配ができるエリアは首都圏など14都府県に限られていたが、今回のリニューアルで全国対応を可能にする。