真空ボトルのECサイト「shin‐ku shop」、ロケット技術を食品・飲料保存に応用 真空率99.5%を維持

「フードロスをなくすのが目標だ。難民など世界中の食に困窮する人への支援にも貢献したい」と意気込むのは、真空特許技術のライセンスや製品ビジネスなどを手掛けるインターホールディングスの山口翔取締役COOだ。

同社は今年4月、ロケットと同じ技術を採用した真空技術を「真空ボトル」の容器に応用した真空ボトルのECサイト「shin-ku shop」を開設した。

2023年10月にクラウドファンディングで先行販売して、ニーズを確かめた後に、生産体制を整えて一般販売にこぎつけた。

同社が販売する真空ボトルは真空率99.5%を維持するという、専門的な機械を使うことなく誰でも簡単に手で真空にできる特長を持つ。

コメや酒類など、幅広い商品を真空ボトルに詰めることで、賞味期限の大幅な延長に貢献する。長期保存の鍵を握るのは、容器の先端にある逆止弁で、特許も取得した。「日本酒やワイン、オリーブオイル、醤油など酸化すると劣化してしまうアイテムに最適なボトルだ」(山口翔COO)と話す。

▲現在サイトで販売されている真空ボトル

真空技術の普及やECサイトなどでの展開を通じて、食品のフードロスに貢献していく。さらには、アフリカなど、難民が身を寄せている場所で賞味期限が延長できる真空技術を届けていく計画もある。

現在、ECサイトで販売しているのは液体用の真空保存パウチと個体用真空パックの2種類のみ。

今後は、日本酒や濃縮抹茶などの中身が入った真空パックや、固形を入れる大きな真空容器など新たな容器の販売を行っていく予定で、越境ECの展開も視野に入れているという。

「日本の商品で世界に届けられていないものはたくさんある。真空技術を食品物流のインフラに活用してもらい、『真空食品市場』という新しい市場の創出にも貢献していきたい」(同)と意気込みを示した。