東日本電信電話(NTT東日本)神奈川事業部、フルノシステムズ、インターネットイニシアティブ(IIJ)および芦之湖漁業協同組合は5月16日、芦ノ湖における監視・管理を効率化かつ強化するため、新たなWi-Fi規格であるIEEE標準規格「802.11ah(Wi-Fi HaLow)」を活用したデジタル監視と、802.11ah(Wi-Fi HaLow)とLoRaWANのLPWA通信(低消費電力で長距離のデータ通信を可能とする無線通信技術)を活用した水温センシング管理による実証を開始したことを発表した。
芦ノ湖は釣り場としても有名で、芦之湖漁業協同組合は漁業規則を定めているが不法操業者が多く、巡回監視が必要となっている。また、遊漁者に湖水の水温情報を提供しているが、その稼働負担が課題となっている。
一方、NTT東日本はデジタル技術の活用を進めており、802.11ah(Wi-Fi HaLow)を活用した実証を畜産場や都市型農場(ほ場)をフィールドに実施しているなかで、より遠距離通信の検証が必要となっていた。今回、フルノシステムズ、IIJと連携して芦ノ湖での監視強化と管理効率化を目的とした実証を開始した。
「802.11ah(Wi-Fi HaLow)」によるカメラ監視では、1km以上離れた対岸との映像データの通信状況把握と、監視カメラの人物検知やモーション検知を活用した「違法・不法操業者の監視」を行う。また、「802.11ah(Wi-Fi HaLow)」と「LoRaWAN」による水温センシング計測を行い、芦ノ湖フィッシングセンターのWebサイトにおいて情報提供運用を行うという。
実証期間は、4月19日~5月31日(予定)、場所は芦ノ湖湖岸。各社の役割は、NTT東日本 神奈川事業部が全体総括(検証設計、機器設置、運用管理など)、フルノシステムズが802.11ah(Wi-Fi HaLow)関連機器およびサービス提供・運用、IIJは LoRaWAN関連機器およびサービス提供・運用、芦之湖漁業協同組合は実証フィールド提供、監視・管理の運用稼働把握。