アイ・ティ・アール(ITR)は4月23日、国内のグリーン・トランスフォーメーション(GX)市場規模推移および予測を発表した。これによると、同市場の2022年度における売上金額は25億円であり、2027年度には460億円へ拡大するという。
2022年度の同市場規模は2021年度の2倍となり国内において市場が形成され、2023年度も倍増すると同社は見込む。
この急成長の背景には、2022年4月に再編された東京証券取引所のプライム市場においてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示が義務化されたことがあるという。
また、主要ベンダ各社の積極的なマーケティング活動が功を奏し、同ソリューションによって温室効果ガスなどの排出量を算出し具体的な削減数値や活動を示すことが企業価値の向上につながるとして、認知度が高まっているとのこと。
同社シニア・アナリストの入谷光浩氏は、「企業のサステナビリティ経営において、カーボン・ニュートラル達成に向けた第一歩として、温室効果ガス排出量の算定と可視化への取り組みが本格化しつつあります。国際的には自社の排出量だけではなくサプライチェーン全体を対象とするScope3排出量の開示の義務化が進んでおり、日本企業も対応が迫られてきています。そのためには、サプライチェーンから多くの関連データを収集して排出量を算定するツールやサービスの活用が不可欠となります。こうした動きは、東証プライムの上場企業以外の企業にも広がり、今後市場は大きく拡大するとみています」とコメントしている。