NTTテクノクロスとベルシステム24は4月11日、国内畜産業の課題解決に向けた共同サービスとして、牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」の提供を開始すると発表した。

牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」の詳細

同サービスは、ネットワークカメラで撮影した牛の姿勢をAIが判定し、ネットワークカメラから発報される音によって牛の姿勢を変えさせることで、起立困難の発生を予防するもの。

具体的には、牛舎の環境・牛の頭数に応じた台数のネットワークカメラを設置し、牛舎の様子を常時撮影する。導入時に、起立困難になりうる危険な姿勢の映像をアノテーションにより設定し、AIを個々の状況に合わせてチューニングすることで、危険な姿勢となっている牛の判定確度を向上させる。

運用開始後は、危険な姿勢であるとAIが判断した場合に、ネットワークカメラから特殊音を発報し、音に反応した牛が首を起こして姿勢を戻すことで起立困難の発生を防ぐ。

音に牛が反応せず起立困難につながる姿勢が一定時間継続した場合は、AIから自動で利用者にメールを送信することで注意を促すなど段階的なアプローチにより起立困難を防ぐ。

監視センターでは、ヒトによる機器の稼働監視や、利用者からの問い合わせ対応などを24時間365日担う。

  • 牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」の流れ

サービス利用のメリット

同サービスの活用により、起立困難による損失コストの削減をはじめ、牛舎見回りにかかる負荷軽減や見回り人員のコスト削減を実現できるという。

牛舎の見回りは、肉体的・精神的な負担が大きく、また人手不足を背景に新規での人員確保も難しいため、農家の生産性を下げる要因となっている。

今後は、オプションサービスとして、起立困難に繋がる姿勢が改善しない場合に、牛の状態をモニタリングし、利用者への電話による緊急連絡を行うことも検討しているという。