「楽天市場」、2024年の『新生活トレンド』予測 「令和タイパ商品」「インフレ対抗消費」などに注目

楽天グループ(楽天)は2月28日、新生活関連商品の購買データやアンケート調査をもとにした「『楽天市場』新生活2024 トレンド予測」を発表した。「タイパ」関連商品やインフレ対抗消費などに注目が集まる傾向が見られた。

楽天の楽天市場マーケティング部 小野詩織氏は、「楽天市場、Amazon、ヤフーショッピングの3大モールの新生活市場規模を見ると、生活雑貨、寝具・家具、家電のいずれも右肩上がりで推移している」と話す。

▲楽天市場マーケティング部 小野詩織氏

「楽天市場」では、インテリアや日用品雑貨、家電を含む約150万点の新生活関連商品を取り扱っている。2019年から2023年までの新生活商戦において、「楽天市場」の新生活関連商品の流通総額は約2.4倍に伸長しており、新生活用品をEコマースで購入する傾向はコロナ禍を経て拡大している。

「私も社会人になったタイミングで一人暮らしを始めたが、家具や家電のほとんどを楽天市場で購入した。仕事をしながらの引っ越しで店舗に行く時間を取れなかったことでスムーズに家を整えることができた」(小野氏)と話す。

「楽天市場」では約150万点の新生活関連商品を取りそろえている。

新生活関連商品の購買データやンケート調査をもとにした「『楽天市場』新生活2024 トレンド予測」を発表し、「令和タイパ商品」「インフレ対抗消費」「インテリアAR機能」「防災グッズ点検」の4つのキーワードを挙げ、それぞれについて理由を解説した。

【令和タイパ商品】

<スマートリモコンとハンガー型乾燥機は流通2倍>

「楽天市場」で「タイパ」(時間対効果)に関連した家電商品の流通総額を2019年と2023年で比較すると、約2.3倍と伸長しており、新生活時期に「タイパ」関連商品の需要が拡大すると予測した。

楽天が運営するマイクロタスク型クラウドソーシングサービス「楽天超ミニバイト」が 10代~40代の男女1000人を対象に実施した「今年の新生活に関するアンケート調査」では、Z世代(10代~28歳)の回答者のうち約7割が「タイパ」を意識して行動していると回答。一方で、30代~40代では「『タイパ』を意識して行動している」と回答した人は4割に留まった。

生活の中で「タイパ」を意識するシーンは、両世代ともに「移動中」「隙間時間」「家事」が上位に挙がった。「楽天市場」では、ロボット掃除機やオーブンレンジ、食器洗い乾燥機、布団乾燥機など「タイパ家電」の需要が高い傾向にある。

「私はZ世代に当てはまるが、移動中はサブスクで動画を見ながら、同じ画面で別のSNSを確認して2つの情報を得ていることがある。移動中にタイパを重視するアンケート結果に共感できる」(同)と話す。

商品としては、外出需要が増加したことで、外出先からアプリなどで家電を操作できるスマートリモコンや、旅行先でも使用できるハンガー型乾燥機など、より細分化されたニーズにあわせた「専用タイパ家電」の注目が高まっている。

「楽天市場」におけるスマートリモコンとハンガー型乾燥機の流通総額は、前年同期比でそれぞれ約2倍に伸長している。

 

「タイパ家電」として人気が高いオーブンレンジを活用して手軽に調理ができる「冷凍食品」の「楽天市場」における2023年の流通総額は、2019年比で約4.9倍と大きく伸長している。「楽天市場」では、手軽に本格的な味わいを楽しめる冷凍パンやスープといった「タイパ」に適した冷凍食品の需要が高い傾向にある。

【インフレ対抗消費】

<リユース家電の流通はコロナ前の約1.3倍>

「楽天市場」では、家電やスマートフォン・タブレットなどのリユース商品の需要が拡大傾向となっている。

2023年の流通総額はリユース家電が2019年比で約1.3倍、スマートフォン・タブレットにおいては2019年比で約1.5倍とそれぞれ伸長している。

「今年の新生活に関するアンケート調査」でリユース家電をどのような理由で購入、または購入検討したいかをたずねたところ、Z世代、30代~40代ともに「お得に購入できるから」がもっとも多い結果となった。

箱つぶれや旧型番などのインテリアや家電といったアウトレット商品の需要も拡大しており、2023年の流通総額は2019年比で約1.2倍に伸長した。

「楽天市場」に2024年2月1日にオープンした「楽天市場 新生活フェア2024」では、「訳あり・アウトレット」などの商品を集めたページを新設し、拡大する需要に対応している。

【インテリアAR機能】

<導入25店舗は購入率が顕著に向上>

「今年の新生活に関するアンケート調査」によると、Eコマースで大型の家電やインテリアなどの購入経験がない人のうち、約6割がその理由に「設置・搬入の際のサイズ感がわからないから」「実際に質感を確認したいから」のいずれかを選び、オンライン上で商品を購入する前のサイズや質感の確認に課題があることがわかった。

「楽天市場」では、こうした課題をもとに、インテリア関連商品の試し置きができるAR機能を2023年より導入し、ユーザーが大型インテリアを購入しやすい買い物体験を提供している。

「実際にAR機能を導入しているのは25店舗ほどだが、対象店舗の購入率(CVR)の上昇値ランキングを見るとオフィスチェアは13%アップ、収納家具は12.5%アップしている。導入前と比べると購入率は高くなっていることが分かる」(同)と話す。

同調査で、「AR機能を利用したいか」をたずねたところ、7割以上が「利用したい」と回答したことから、新生活時期においてもAR機能を活用した大型インテリアの購入が増えると予測している。

【防災グッズ点検】 

<コロナ前に比べ防災グッズの流通2.7倍>

新生活を始める時期は、家に備える防災グッズの内容を見直すタイミングとしても適している。「今年の新生活に関するアンケート調査」では、「特に防災グッズの準備をしていない」と約3割が回答している。

準備をしていない理由については「必要だと思っているが対策ができていないから」「何を揃えたらいいか分からない」「置き場所を確保できないから」が上位に挙がった。

「どのような防災グッズを準備しているか」については、飲料水、懐中電灯、非常食、充電器・バッテリーなどが上位となった。

「楽天市場」では、2023年の防災関連商品の流通総額が2019年と比較して約2.7倍伸長している。

直近では、場所を取らない小型化や防水タイプなどユーザーの目的に合わせた防災グッズへの注目が高まっている。

防災グッズをカタログギフトで贈る需要も拡大しており、引っ越し祝いとして活用する傾向も見られる。

<新生活にモバイルもおすすめ>

新生活に合わせて楽天モバイルの契約も勧めている。

楽天モバイル 広報部 小山麻貴氏は「楽天モバイルは2023年のオリコン顧客満足度調査でナンバーワンをいただいた。今回は利用料金に加えて、加入手続きのしやすさ、料金プランのシンプルさ、サポートサービスの充実など総合的に評価していただいた」と話す。

▲楽天モバイル 広報部 小山麻貴氏

「楽天モバイル」では紹介キャンペーン第3弾を2月1日から開催している。紹介者は1人に付き7000ポイントを進呈し、紹介された人は電話番号そのまま乗り換えの場合、1万3000ポイントを得ることができる。

2月21日からは、要望が多かった家族割サービス「最強家族プログラム」も開始した。

4人家族の場合、年間24万円削減可能だという。さらに父親が紹介者の場合、父親に2万1000ポイント、紹介されるご家族3人に合わせて3万9000ポイントの計6万ポイントを進呈する。

楽天では、新生活に合わせて「楽天市場」の商品に加え、「楽天モバイル」の契約促進も図りたい考えだ。