産業用AIロボットの開発・販売を行うCoLabは、独自の自律型AIとビジュアルサーボ、センシングサーボを組み合わせた自律制御ロボット「AI Servo Robot System」(AIサーボロボットシステム)を発表した。

モノづくりを取り巻く環境は、技術漏洩、リードタイムの悪化、少子高齢化による労働力不足などさまざまな課題を抱えており、近年ではそうした従来からの課題に加え、経済安全保障や人権侵害リスクへの対応といった新たな課題への対応としてサプライチェーンの再構築が急務となっている。

この問題に対し、モノづくり現場としては生産国を変える以外に明確な解決策がないこと、ならびにこれまでもさまざまなモノづくり現場向けロボット技術や製品が登場してきたものの、サプライチェーンのボトルネックである「組立工場の自動化」を実現できる手段はほぼない状態が続いてきたとのこと。そこで同社は、組立工程に欠かせない視覚と触覚、そして、ロボット技術と自律型AIを組み合わせることで、高精度な作業の自動化を実現する自律制御ロボット“AI Servo Robot System”を開発することで、この問題の解決を図ることに挑んできたという。

AI Servo Robot Systemは、投資回収が困難だった組立工程を自動化するロボットシステムとして開発されたもので、AIビジュアルサーボにより視覚情報を基にロボット誤差を調整し、0.1mm以下の絶対精度でロボット動作を生成することが可能なほか、AIセンシングサーボにより力覚情報を基に高精度な組立制御を実現するとしており、ロボットティーチやカメラキャリブレーションも不要という簡便さを実現したと同社では説明している。

  • AIビジュアルサーボとAIセンシングサーボのイメージ図

    AIビジュアルサーボとAIセンシングサーボのイメージ図 (出所:CoLab)

なお同システムは、標準作業であれば2週間でセットアップが可能で、工場でのサポート体制も構築済みだとしており、同社は今後、AI Servo Robot Systemの開発・販売を通じて、過酷な単純作業を自動化することでサプライチェーンの変革を目指していきたいとしている。