「東京スポーツ」、編集局長の暴走から『餃子』通販がヒット 意外な相性?!目指すはアジア進出

「東京スポーツ(以下、東スポ)」を発行する東京スポーツ新聞社は、餃子・唐揚げなどの食品を販売するオンラインショップ「東スポFoods(フーズ)」を運営している。東スポFoodsが「東スポ餃子」を開発し発売したきっかけは、当時編集局長を務めていた平鍋幸治社長の突然の「鶴の一声」だったという。

「東京スポーツ」という新聞社と、「餃子」という食品を、頭の中でうまくつなげられる人は少ないだろう。2022年の4月、平鍋氏が突然「餃子を作る」と言い出したのだという。これを聞いた社員たちの頭にはクエスチョンマークしか浮かばなかったのだそうだ。太刀川恒夫会長に至っては「うちはラーメン屋でも始めるのか」とさえ言っていたという。

全く関係ないように見える餃子と「東スポ」だが、平鍋氏には、両者を結びつけた、彼なりの理由があったという。この理由というのが、「東スポという娯楽紙を読む際に、ビールとおいしい餃子をお供にしてほしい」というものだった。

日刊新聞を発行する新聞社だけあってそのスピード感たるやすさまじく、2022年4月の編集局長の鶴の一声からわずか5カ月後の同年9月には、「東スポ餃子」の販売を開始した。スーパーなどでの小売りとほぼ同じタイミングでオンラインショップも立ち上げたという。

▲「東スポ餃子」

販売開始後、反響は大きく、食品会社などから新商品の提案が来るようになったそうだ。そこから「東スポ唐揚げ」の開発も始まったという。

2024年1月には新商品「東スポキムチ餃子」の発売を発表。バンダイナムコによるソーシャルゲーム「アイドルマスター シャイニーカラーズ」とのコラボの発表によって、「東スポ餃子」というワードが、X(旧ツイッター)で日本のトレンド入りしたという。

 

今も新商品の開発提案は来ており、現在進行中の企画は10件にも上るという。

 

「スーパーで他の食品メーカーの商品や、外食メーカーの商品と一緒に並ぶような、認知度と存在感を誇る商品にしたい」と事業室長の三橋春充氏は語る。最終的に目指すはアジア進出だという。