米Zoomの日本法人であるZVC Japanは1月、同社の法人向けソリューションのデモや体験環境を整えた「Zoom Experience Hub Tokyo」を東京都渋谷区の同社オフィス内に開設した。

1月17日には施設のお披露目を兼ねた記者説明会が開催され、同社代表取締役会長兼社長の下垣典弘氏らが登壇。同施設のねらいと体験できる機能について詳細に解説した。

体験してもらうことに価値がある

まず、下垣氏は同施設を開設した意図について「お客さまにはハンズオンで体感してもらいたい」と説明した。

「2023年から24年にかけて、労働環境はリモートからハイブリッドへ移り変わってきました。ZVC Japanでも商品の需要の拡大に合わせて、お客さまに寄り添った機能をハンズオンで体感していただく必要性を感じました。この施設をスタート地点として、人と人とをつなげられるプラットフォームを提供していきます」(下垣氏)

  • ZVC Japan 代表取締役会長兼社長の下垣典弘氏

「Zoom Experience Hub」は、米国、シンガポールに次いで世界で3カ所目に開設された。完全予約制で、テクノロジーのハンズオン体験だけでなく、その場でZVCとの商談なども行える体験ハブとなっている。

なぜ同社はハンズオンへ価値を見いだしたのか。技術営業部 執行役員の八木沼剛一郎氏は「顧客に、ZVC製品が自社のビジネスの課題をどのように解決し得るのかを体感してほしい」と話す。

ZVCでは、同社製品を導入した顧客だけでなく、導入企業の開発者や、導入企業の先にいるエンドユーザーへ向けて一貫したサポートを提供する方針を掲げている。そのため同施設では、導入企業がZVC製品を導入した際に得られる効果を、実際に体験してもらうことを狙いにしているという。

  • ZVC Japan 技術営業部 執行役員の八木沼剛一郎氏

7つのブースで体験できる機能の数々

同施設では、「Zoomソリューションを使った受付業務DX」や「Zoom Roomsを使った会議体験」など、テーマ別に7つのデモブースが設けられており、さまざまなソリューションを体験できる。

  • Zoom Experience Hub Tokyoのブース

例えば、出社体験をテーマにしたブースでは、Zoom Roomsの予約機能を活用してその日のフリーデスクや会議室などを予約できる。予約後は、会議室内のモニターやPCなど、個人に紐付かないデバイスでも、ログインすれば個人の端末として動作し、ログが蓄積される仕組みだ。

また、業務でZoomを活用する際には、Web会議はもちろんメールや電話も同じプラットフォーム上で行える。特定の資料やメールを参照しながら通話し、必要に応じて顔が見えるWeb会議に切り替えるなど、シームレスな体験が可能となっている。

そのほか、CX体験をテーマにしたブースでは自社のWebページにチャットボットを設置したケースを想定。Zoomプラットフォーム上で、問い合わせ履歴を引き継いだ状態でオペレーターとの電話接続に切り替える機能を体験できる。

  • 顧客はチャットボットでやり取りしてから通話に切り替えることができる

なお、各機能には随所にAIが搭載されており、会議の文字起こしやメッセージの翻訳機能も利用できる。また、「Intelligent Director」の機能を使えば、複数人が一部屋に介するようなWeb会議でも、一人一人をAIで認識することが可能。1つのカメラでも複数名に切り分けて表示される。八木沼氏は「今後は“ネームタグ”と呼ばれる機能で、個人名までタグ付けが可能になる」と話す。

下垣会長「経営者の方に率先して体験してほしい」

どの機能においても、「Zoomのプラットフォーム上で全てが完結する」ことが利用者のシームレスな体験を叶えている。加えて、Zoomのプラットフォーム上で共有されるさまざまな素材がそのままAIの学習データになることが強みになる、と下垣氏は言う。

「それぞれ別のソリューションを使っていれば、集めた素材をAIに学習させるために統合する必要があります。ですが、Zoomのプラットフォームでは会議で発した言葉や取り込んだ画像、オンラインホワイトボードで書いたものが全てAIの素材になります」(下垣氏)

下垣氏は、Experience Hubで体験できる各ソリューションについて「現場のご担当者さまももちろんだが、何より経営層にその効果を体感してほしい」と思いを語る。また、Zoomのプラットフォーム上で完結することを理想としながらも「単一ソリューションでも持ち味を発揮するので、一括導入が絶対ではない」と続けた。

「経営者の方には、どのようにお客さまのビジネスを前に進め、業務効率を改善するかを率先して体感してほしいです。コストの削減やお客さま満足、従業員満足を向上させることを目的にぜひともExperience Hubに来ていただきたいですね」(下垣氏)