LIFULL 執行役員/Chief Technology Officerの長沢翼氏にエンジニアの在り方や組織論について話を伺う本連載。今回は、エンジニアのマネジメントをテーマに話を聞いた。
マネジャーは自チームに一番詳しい人材
――エンジニアをマネジメントしていく上で重要なことについてお聞きしたいと思います。まずは、マネジャーとして組織にどのようにビジョンを浸透させていくべきなのでしょうか。
長沢氏:マネジャー自身が会社のビジョンや戦略をきちんと理解し、自分はそれにどうコミットしていくのかという意見をしっかりと持つことが大切だと考えています。その上で、弊社であれば、グループ長(LIFULLにおける組織の最小単位)は、さまざまなパーソナリティを持つメンバーがいる中で、その人に最も伝わりやすいコミュニケーションの方法を選択し、ビジョンを伝えていかなければいけません。グループ長はメンバーと距離が近く、メンバーに応じた伝え方ができるからです。また、ビジョンは一度伝えただけでは浸透しません。何回も愚直に伝え続けることも重要です。
――マネジャーの役割として大切なものは何ですか。
長沢氏:マネジャーは、特定のチームについて一番詳しい存在です。チームがやっていることが事業的にどんな価値を生むのかを、周囲や上層部にいかに伝えていくかも大切になります。例えば、エンジニアの場合、品質管理がうまくできたからといって、すぐに売上につながるわけではありません。しかし品質管理をするエンジニアには、価値があります。その価値がいかに事業の成果につながっているかをうまく説明できるかどうかが、特にエンジニアをマネジメントする立場では非常に大事だと思います。