マイナビ出版は月23日、『ブランドスイッチの法則-消費者の嗜好が変わりやすいEC市場で顧客を勝ち取る』を発売した。同書は、「『売れている商品』は、なぜ売れているのか?」という疑問に答え、自社の商品を選び続けてもらい、売れるブランドになるための仕組みを解説した内容となっている。

『ブランドスイッチの法則―消費者の嗜好が変わりやすいEC市場で顧客を勝ち取る』
田中宏樹 (著)、株式会社いつも(監修)
定価:2,409円(本体2,190円+税10%)
発売日:2024年1月23日
ページ数:240ページ
ISBN 978-4-8399-8391-8
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どうすれば、他社ブランドから自社ブランドへスイッチさせられるか?

「ブランドスイッチ」とは、「特定カテゴリの中で、消費者が今まで購入していた特定のブランドから、別のブランドへ購入を移行する」購買行動のこと。

1997年に楽天市場が誕生した年をEC元年とすれば、ECが誕生してすでに25年以上の時間が経過している。インターネットが現在のように一般的な技術ではなかった1990年代以前と比べて、現代は消費者がさまざまなな商品を比較しながら購入しやすい環境となり、よりブランドスイッチが発生しやすい環境となっている。

そんな中で、各ブランドは消費者に向けて自社商品を購入してもらえるようアプローチを試みるものの、その結果すべての商品が売れるということはなく、残酷なことに『売れている商品』と『売れていない商品』に分かれてしまう。では、この明暗を分ける要素とは何なのか?

同書では、著者がEC戦略コンサルタントとしてマーケティングの現場で蓄積した実例データを徹底分析し、それを「ヒトの購買行動」として言語化。「売れているブランド」になるためには、自社商品への「ブランドスイッチ」が起きる仕組み・仕掛けが重要だと述べている。

そして、どうしたら他社ブランドから自社ブランドへスイッチさせることができるのか、どうしたら他社ブランドへのスイッチを防げるのかを『ブランドスイッチの法則』として提言している。

例えば、毎日使っているブランドのシャンプーを使い切ってしまい、近くのドラッグストアに買いに行ったとする。最初はいつものシャンプーを買おうと思っていたが、特価に惹かれて隣に置かれていた別のブランドのシャンプーを購入した。このような、よくある行動が「ブランドスイッチ」だ。

シャンプーのような商品は、人によって使用量や頻度は異なるものの、おおよその年間購入回数は決まっており、平均では6.4回(※『ブランドスイッチの法則』本文より)とのこと。この限られた購入回数の中で、何回、自社ブランドのシャンプーを選んでもらえる自信があるだろうか?

購入意思を最大化する方法まで解説

本書ではまず、第1章で「ブランドスイッチとは何か?」について解説。ブランドスイッチが起こる背景やそれを踏まえた戦略の重要性、そして「ブランド」が主語のマーケティングが通用しなくなる時代にブランドが考えるべきことを説明している。

第2章と第3章では、消費者がブランドを選ぶ基準や商品を買わないシンプルな理由を消費者の心理行動と実際のデータを用いて解説。

第4章から第6章で、前章を踏まえて購入意思を最大化する方法や、他社へのブランドスイッチを防ぐ方法、ECサイトでも使える心理テクニックを利用しながら、商品満足度ではなく全体の満足度を向上するための考え方を提唱している。第7章と第8章では、成功するブランドのマインドやそのために必要なチーム作りについても触れている。

著者の田中宏樹氏からのメッセージ

私が本書でお伝えしたいのは、「『売れている商品』は、なぜ売れているのか?」の答えです。

「ブランドスイッチ」とは、いわば自社の商品を選び続けてもらうための仕掛けづくりです。私自身、“売れるブランドになるための方法” を、ブランディングと消費者心理の観点でルール化するまで多くの時間と労力を費やしました。

そして、よくクライアントから問われる「どの本が一番参考になるのか?」への答えとして、自分自身で書籍を書くことが、最もクライアントや他のマーケッターのためになる回答になるのではないかという想いから、本書を執筆する運びとなりました。

本書は、ECコンサルティング企業である株式会社いつもで関わってきた私のコンサルティング実践経験や実際のデータを用いて解説しています。この書籍が皆さんの業務の一助となることを心から願っています。

『ブランドスイッチの法則』著者/監修 プロフィール
【著者】田中宏樹(たなか ひろき)
株式会社いつも Eコマース戦略コンサルタント

株式会社いつもが行う運営代行・運営サポートにおいて、年商200億円を超えるブランドから年商1,000万円のブランドまで、累計200を超えるブランドのコンサルティングを担当。独自メソッドを導入しながら店舗の売上を着実に伸ばしている。執筆に関わった書籍として『EC 担当者 プロになるための教科書』(マイナビ出版)などがある。

【監修】株式会社いつも
EC・D2C の総合支援企業として、全国のブランドメーカーを中心に延べ12,000件以上の支援実績を持つ。
大手・中小メーカーの抱える課題に対しEC パートナーとして、EC・D2C 戦略コンサルティングからサイト構築・運営、SNS・デジタルマーケティング、フルフィルメント、ライブコマース、人材教育までEC バリューチェーンを一貫してサポート。「人」と「テクノロジー」を組み合わせ、ブランドEC、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、海外EC 等でのマルチチャネル展開、EC・D2C ブランドのM&A・出資・成長支援を行う。著書に『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)、『先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務』(翔泳社)、『EC戦略ナビ』『EC 担当者 プロになるための教科書』(マイナビ出版)などがある。