現在、多くの広告プラットフォームがサードパーティCookieを利用して広告の配信を行っている。それに対してGoogleは、プライバシー保護の観点から、サードパーティCookieの利用を制限する取り組みを段階的に進めている。Betanewsはこのほど、「 Death by a thousand cuts: How to prepare for the demise of third-party cookies」において、サードパーティCookieが廃止されていく中、企業のWeb管理者やマーケティング担当者がどのような準備を行うべきかについて伝えた。

  •   Death by a thousand cuts: How to prepare for the demise of third-party cookies

    Death by a thousand cuts: How to prepare for the demise of third-party cookies

GoogleはサードパーティCookieの制限を進める

Googleでは2023年5月に、サードパーティ製Cookieを廃止するための段階的な取り組み「Privacy Sandbox」を正式導入する方針を発表した。これは、ユーザーに隠された方法でユーザ行動をトラッキングする技術を制限しつつ、それを代替する技術を開発することで広告やオンラインビジネスの機会を維持するというもの(参考記事:Google ChromeサードパーティCookie廃止、ゆっくりだが前進 | TECH+(テックプラス))。

同7月にリリースされたChrome 115以降のバージョンでは、ユーザーの興味に関する情報をWebブラウザ側で管理し、Webサイト側にはユーザーが許可した場合のみ必要に応じて提供する「Topics」と呼ばれる新しいAPIが追加された。これはサードパーティCookieに代わってユーザの興味に応じた広告の表示を実現する仕組みである。

2024年に入ってGoogleは、ChromeでサードパーティCookieをブロックするトラッキング・プロテクションの一般テストを開始。テストはユーザー全体の最大1%に適用され、対象になった場合は通知が届いて、デフォルトでChromeのサードパーティCookieが制限される。正常に動作しないWebsサイトでは、一時的にサードパーティCookieを許可することもできる(参考記事:Google、Chromeユーザ1%でサードパーティCookie廃止、1月4日から | TECH+(テックプラス))。

Chromeのユーザー数は30億人を超えると言われており、たった1%といえどもその数は膨大である。Googleは、最大1%の大規模テストを2024年第3四半期まで継続し、第3四半期に実際にサードパーティCookieのサポートの段階的廃止を始める計画を立てている。

ITチームが実行するべき4つのステップ

Betanewsは、サードパーティCookieの廃止に備えて、組織のITチームは次の4つのステップを実行するべきと提言している。

  • サードパーティCookieの廃止がマーケティングとITチームの取り組みに大きな影響を与える可能性があることを理解する
  • マーケティングチームの目標とプロセスに合わせた組織のニーズを評価し、データ管理システムの明確で達成可能な目標を設定する
  • 顧客とのやり取りから直接得られる「ファーストパーティ データ」を優先する
  • 顧客データ プラットフォームなどの適切なツールに投資する

Betanews氏は、サードパーティCookieに依存しなくても、今は新しい時代のマーケティングを再定義するための有望なソリューションが豊富に存在すると指摘。それらを有効に活用し、サードパーティCookieとの共倒れを防ぐために、できるだけ早く準備に取り掛かることが重要だ。