宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月20日、同日0時20分(日本標準時)に小型月着陸実証機「SLIM」が月面に着陸したことを確認し、月着陸に成功したと判断されると発表した。着陸後の通信の確立にも成功しているという。

  • 小型月着陸実証機「SLIM」

    小型月着陸実証機「SLIM」(C)JAXA

SLIMは、月への100mオーダーという高精度着陸技術の実証と、軽量な月惑星探査システムの実現による月惑星探査の高頻度化の2つの実現を目指して実施されているミッションで、同実証機は2023年9月7日、H-IIAロケット47号機に搭載される形で打ち上げられていた。

月面着陸の成功は、世界的には旧ソ連(ロシア)・米国・中国・インドに次ぐ5カ国目となる。ただし、太陽電池が電力を発生していない状況とのことで、現在、JAXAでは月面からのデータ取得を優先して取り組んでいるという。

なお、SLIMにはペイロードとして、超小型月面探査ローバ「LEV-1」および変形型月面ロボット「LEV-2」(SORA-Q)が搭載されていたが、月着陸に向けた降下中に分離、現時点で月に降り立ったLEV-1からも地球に向けて送られてきた電波も受信しており、LEV-1、LEV-2ともに無事に分離できたものと考えられるとJAXAでは説明しており、今後、詳細なデータ解析を進めていくとしている。

  • 取材会場ではSORA-Qの動作デモンストレーションも行われた

    取材会場となったJAXA 相模原キャンパスでは、SORA-Qの動作デモンストレーションも行われた

  • JAXAの山川宏 理事
  • JAXA宇宙科学研究所の國中均 所長
  • 2024年1月20日2時10分過ぎに開かれた記者会見にてSLIMの月着陸の結果について報告するJAXAの山川宏 理事長とJAXA宇宙科学研究所の國中均 所長