2024年の年頭にあたり、ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長の古舘正清氏は年頭所感として、以下を発表した。
BaaS型のビジネスモデルの立ち上げに注力
明けましておめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。新年にあたりご挨拶を申し上げます。
2023年は、バックアップを標的にしたランサムウェア攻撃が急増し、企業や組織でバックアップに対するランサムウェア対策の検討が加速しました。経済産業省が公開する「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が5年ぶりに改定され、サイバー攻撃からの復旧を含む事後対応の強化に関する記載が新たに加わるなど、バックアップ体制の見直しが企業の事業戦略の重要な要素になってきています。
Veeamは最新のデータ保護とランサムウェアリカバリの需要拡大に応えながら、グローバルではデータ保護市場でトップシェアを獲得し、日本法人では6年連続でグローバルの成長を大きく上回る伸びを記録いたしました。
昨年は、大手金融、大手製造、大手流通など業界のリーディングカンパニーならびに複数の中央省庁のお客様をお迎えいたしました。また、業界別に特化したサービス拡大に注力し、重要インフラとして特にランサムウェア対策が急務となっている医療業界と製造業界では大きな成果を残すことができました。
加えて、パートナーエコシステムの強化として、日立製作所とのOEMサポートやダイワボウ情報システムとの協業を通して、全国各地にVeeamのソリューションを届けられる体制を拡大しています。さらに、サービスの品質レベルを高め、これまで以上に柔軟にお客様のニーズに対応できるよう人員を大幅に増員しました。
本年注力する分野として、まずは前年に引き続き、業界別に特化したサービス提供があります。業界ごとに異なる課題やシステム事情にあわせたデータ保護のニーズにきめ細かく対応した提案を行い、お客様のさらなる事業継続強化を実現いたします。
次に、BaaSのビジネスモデルの立ち上げです。本年は、昨年発表したBaaSの新製品「Cirrus for Microsoft 365」および「Cirrus Cloud Protect for Microsoft Azure」とVeeam製品の統合を進めるほか、バックアップに関わる管理と運用を簡素化するためのより幅広い選択肢を提供していきます。
2024年も引き続き、ランサムウェア対策におけるバックアップの見直し需要が高いと見込んでおり、Veeamが提唱するバックアップの「3-2-1-1-0ルール」の徹底を普及することが急務です。
また、ITインフラ資産を自社で保有しない企業が増加することでマルチクラウド利用が拡大し、ベンダーロックインを避けたクラウド間のデータ移動性が高いデータ保護ソリューションがますます重要になると予想しています。日本の市場のニーズにきめ細かく応えながら、エンタープライズからSMBまで全ての市場のお客様の重要なデータ資産がより一段高いレベルで保護されるよう邁進していきます。