IIJエンジニアリングは12月12日、衛星ブロードバンド通信サービスのオフィスビルなどへの導入をサポートするという「衛星ブロードバンド導入支援ソリューション」を提供開始した。参考価格は55万円から(アンテナ設置費用、ケーブル配線工事費用、ドキュメント作成費用を含む)。

  • オフィスビル内のケーブル配線ルートのイメージ

  • ビル屋上へのアンテナ設置イメージ

需要が増す衛星ブロードバンド接続サービス

衛星ブロードバンドによる高速なインターネット接続サービスは、山間部、離島や船上など、ブロードバンド回線の敷設が無いエリアでの利用が進んでいるといい、既にブロードバンド回線が利用できる都市部などでも、既存回線の混雑回避や災害時のバックアップを目的に、オフィスビルでの導入を検討する企業や自治体が増えている。

しかし、衛星通信の利用には上空を見通せる場所にアンテナを設置する必要があり、特に都市部のオフィスビルにおいては屋上にアンテナを設置することが多くなる。結果として、工事に関わる調査やビル管理会社との折衝といった負担が導入のハードルだとしている。

同社は、すでに自社オフィスビルを始め多数のアンテナ設置工事を行っているといい、その経験を基に電気工事業などの資格を持つエンジニアがユーザー企業を支援するとのこと。

  • ソリューションの概要

アンテナ設置から保守運用を支援

新ソリューションでは、ユーザー企業の用途に合わせたサービス・プラン選択や利用方法などのアドバイス、および入居ビルのアンテナ設置から保守運用に至るまでの導入を、トータルで支援するという。

同社が通信サービス開通までの一連の調査や工事等を行い、設置工事は全国で対応可能とのこと。また、IIJグループが取り扱う各種VPNサービスのアクセス回線や、ユーザー企業が利用中の既存WANのバックアップ回線として、衛星ブロードバンド通信サービスを利用する際のインテグレーションも併せて提供するという。

  • インターネット接続の冗長としての利用例

  • VPN接続の冗長としての利用例

  • 既存のユーザー企業WANとの相互接続としての利用例

同社はユース・ケースとして、 ブロードバンド回線の障害時や災害時を想定したインターネット接続のバックアップ経路としての導入や、ブロードバンド回線が敷設できないエリアや利用期間が短い仮設事務所などで内部リソースへの接続性の確保を目的とした、既存ユーザー企業WANとの相互接続への導入を示している。