コニカミノルタジャパンは11月20日、オフラインとオンラインのハイブリッド開催により、情報機器事業の方針について説明会を開催した。説明会には今年4月に同社の代表取締役社長に就任した一條啓介氏らが出席した。

  • コニカミノルタジャパン 代表取締役社長の一條啓介氏

    コニカミノルタジャパン 代表取締役社長の一條啓介氏

コニカミノルタジャパンが注力する3つの領域の課題解決に向けた支援

まず、一條氏が同社における方針の説明を行った。同氏は「経営方針は強みを基点とした“顧客の真の成功”と事業成長の両立となる。環境の変化は止めることができないため、企業を取り巻く多くのステークホルダーへの貢献が企業としての存在意義だ」と強調した。

こうした経営方針のもと、同社では顧客の真の成功に向けて顧客ロイヤリティの向上を挙げており、情報機器事業とヘルスケア事業、センシング事業を中核に据えて事業を展開している。そして、これらを実現するためのアプローチとして同社が提供する製品・サービスのターゲット化と定義づけに取り組むという。

一條氏は「これまで培った強みを活かすとともに、提供価値は単一ではないことから、これまで築き上げてきた各市場における信頼、顧客関係、実績、強みを土台とし、これらの価値を複合化して顧客の真の成功を支援する」と力を込めた。

  • コニカミノルタジャパンの経営方針

    コニカミノルタジャパンの経営方針

同社の情報機器事業では複合機を介した業務のデジタル化や効率化、印刷業の生産工程からマーケティング施策までの一貫支援に加え、ITシステム構築・サービスの提供、自社実践ノウハウを活かしたデジタルマーケティングと空間デザインの提供を進めてきた。

  • 各事業の概要

    各事業の概要

このような取り組みにより、同社では「働きやすい環境支援」「デジタル化支援」「環境負荷軽減支援」の3つの領域を軸に課題解決に向けた支援を行っている。一條氏は「これまで培われてきた信頼関係をベースに共創や関係性強化による顧客接点を多く持つことで、お客さまの真のパートナーを目指す」と意気込みを語っていた。

  • 情報機器事業が取り組む領域

    情報機器事業が取り組む領域

情報機器事業の取り組み

続いて、コニカミノルタジャパン 常務取締役 情報機器事業管掌、情報機器営業本部長の山路勇氏が情報機器事業の方針に関して説明に立った。

  • コニカミノルタジャパン 常務取締役 情報機器事業管掌、情報機器営業本部長の山路勇氏

    コニカミノルタジャパン 常務取締役 情報機器事業管掌、情報機器営業本部長の山路勇氏

同氏は「情報機器事業は、複合機や印刷機を中心としたオフィスソリューション、DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューション、プロフェッショナルプリント、マーケティングサービスを提供している。企業はサステナブルな社会を築く責任を持ち、事業成長や売上向上の実現を目指している。昨今では、中小企業や印刷業、製造業・建設業・卸売業・小売業・公共文教をはじめとした顧客企業の経営環境の変化を事業機会と捉えている」と説明した。

また、山路氏は「例えば中小企業においては、成果の最大化による企業価値の向上や、担い手の確保とビジネス機会を獲得して事業継続・継承の継続、IT環境の整備などを望んでいる。こうした課題に対して、当社は複合価値の提供で働き方改革・生産性向上に向けたDX化の支援を可能としている」と話す。

前述の3つの領域において、働きやすい環境支援ではIT環境と働く場の構築、デジタル化支援については属人化の解消とデータ活用による生産性向上、環境負荷軽減支援に関しては廃棄・CO2排出の抑制といった製品・サービス・自社実践ノウハウを複合化させた提案力により、課題解決に向けた支援を実施している。

IT環境の構築では、設計から設定、設置、保守までをワンパッケージで提供する「IT Guardians」、カラー複合機でIT環境の構築に併せてドキュメントワークフローを担う「bizhub i Sシリーズ」を提供している。

  • IT環境を構築するサービスの概要

    IT環境を構築するサービスの概要

働く場の構築は、オフィスリニューアルを望む企業に対して「Programming Design Task Flow(プログラミングデザインタスクフロー)」の提供により、(1)プロジェクト方針検討、(2)理想のワークプレイス/インプット・アウトプット、(3)ワークプレイスの検討、(4)デザインの4段階でオフィスデザインを提案。また、ドキュメントソリューションや文書管理コンサルティングサービスでペーパーレスの仕組みの構築を支援する。

デジタル化支援では属人化の解消に向けた製品・サービスが重点的に紹介された。熟練者の技術・知識軽症をサポートするオンラインマニュアルサービス「COCOMITE」、多言語コミュニケーションの負担軽減を可能とする多言語通訳サービス「KOTOBAL」、教育データの活用による教員の育成支援と児童の学力向上を図る学校教育向けソリューション「tomoLinks」を提供している。

  • デジタル化支援に関するサービスの概要

    デジタル化支援に関するサービスの概要

また、印刷業の属人化を解消するものとして、商業印刷のDXを加速するデジタル印刷システム「AccurioPress」、印刷業のデジタルマーケティング活用、創注を支援し、販路を拡大する印刷通販サイト作成ツール「in2site」、印刷効果の見える化を実現するデザイン解析サービス「EX感性」を訴求している。

一方、データ活用による生産性の向上については、画像IoTを通じた安全・安心の確保や生産性向上を実現するIPネットワークカメラ「MOBOTIX」は製造現場などでの活用による価値提供を強調していた。

  • IPネットワークカメラ「MOBOTIX」の概要

    IPネットワークカメラ「MOBOTIX」の概要

環境負荷軽減支援では、製品や消耗品における再生PC/PETを採用しているほか、印刷機・複合機のカーボンオフセット、印刷機のアナログtoデジタルによる設備調整時のインク・用紙と消費電力の削減などを紹介していた。

  • 環境負荷軽減支援の取り組み

    環境負荷軽減支援の取り組み

最後に山路氏は「主要顧客である中小企業や印刷業、製造業などに対する機器の提供だけでなく、お客さまの課題と長年にわたり向き合い、併走してきたことが当社の強みであり、お客さまに選ばれる理由だと考えている」と結んだ。