オンライン・デザインコラボレーションツールを提供する米Figmaは、11月7日(現地時間)に「FigJam AI」を発表し、オープンベータでの提供を開始した。これはコラボレーティブ・ホワイトボード「FigJam」用に開発された生成AIツールで、ユーザーが自然言語で要求を伝えるだけで、AIが一般的なデザインプロジェクトやプランニングプロジェクトに使えるテンプレート、チャートなどを作成してくれる。

FigmaはFigma AIの導入を、「lowering the floor and raising the ceiling(床は低くし、天井は高く)」という表現で説明している。これは、ある目標を達成するための2つのアプローチを表している。要求レベルを下げることで、より多くの人々が参加できるようになり、一方、要求レベルを上げることで、より高い品質の成果物を生み出すことができる。

FigJam AIは特に前者のアプローチに効果的なツールといえる。視覚的なスペースはコラボレーションにおいて重要な役割を果たす。コンセプトを明確に伝達し、チームの協力や効果的なコミュニケーションを促進する。しかし、すべての人がデザイン・ルールに精通しているわけではない。そうした人に対してFigJam AIは、カスタマイズしたFigJamを作成するのを手助けする。例えば、4人を集めてミーティングしなければならない時に、Figma AIに「4人でのミーティングが必要です」と伝えると、FigJamがミーティング用の初期テンプレートを生成する。あらゆる分野の人がビジュアルコラボレーションを活用できるよう、ツールの使用のハードルを下げる。

デザイナーはFigJam AIを利用することで、コラボレーティブなホワイトボードプロジェクトをゼロから作成する準備時間を大幅に短縮できる。それにより、より要求レベルの高いタスクに多くの時間を割り当てることが可能になる。

FigJam AIでは、ミーティングやチームエクササイズ用のボード、ダイアグラムおよびフローチャート、視覚的なタイムラインおよびガントチャート、チームプロジェクトのプラニングなどに、テキストプロンプトによるAI生成を利用できる。例えば、ガントチャートを作成する場合、タイムラインやプロジェクト数、プロジェクトのマイルストーンなどを含めるように指示する。詳細な情報を提供するほどに、生成される図はよりカスタマイズされる。

また、テーマに基づいて付箋のグループを整理したり、付箋のグループから要約を生成するなど、付箋の管理にもFigJam AIを利用できる。