NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とNTTドコモは10月13日、愛知県岡崎市の中心部(乙川リバーフロントエリア)において、「ウォーカブルなまちづくり」をテーマとして公共交通の利用促進に向けた実証実験を10月14日から開始することを発表した。両社は市の提案事業が採択を受けた国交省「令和5年度共創モデル実証プロジェクト(共創による地域交通形成支援事業)」に参画する。
岡崎市では現在、大河ドラマ館の開館に伴って市への来訪者が増加し、従来からの課題であった交通渋滞が激化しているという。今回の実証では、街の周遊の促進を目的に、公共交通手段へのワンストップアクセスを想定したMaaS(Mobility as a Service)を構築する。また、自動運転バスの実証運行を活用して、パークアンドライドの促進に向けた実証も実施する。
MaaSの構築においては、乙川リバーフロントエリアを対象としたマイクロMaaSを構築してWebサイトで公開。MaaS上では複数の交通手段の検索と予約が可能になる。商業施設などへの誘因施策として、MaaS上で店舗や各スポットのクーポン配信を実施する。
自家用車で乙川リバーフロントエリアを訪れる人がパークアンドライドするための選択肢となることを想定し、自動運転バスの実証運行にも取り組む。実証期間中には、バスが岡崎市役所と図書館交流プラザりぶらを結ぶルートを試験的に走行する。市営駐車場が設置されている岡崎市役所と籠田公園に臨時停留所を設置し、マイカーでの来訪者がパークアンドライドを利用できる環境を提供する。
さらに、モバイル空間統計データを活用した来訪者の属性分析も行う。分析した属性情報に基づいて、来訪者に向けてこの事業を周知するための情報配信ターゲットを設定するとのことだ。また、AI(Artificial Intelligence:人工知能)カメラを活用して市営駐車場における駐車車両のナンバープレート読み取りを行い、個人情報に配慮しながら実際の来訪者の居住地を推定する。