Microsoftは2023年10月5日(米国時間)、「Announcing Windows 11 Insider Preview Build 25967 (Canary Channel)|Windows Insider Blog」において「Windows 11 Insider Preview Build 25967 (Canaryチャンネル)」の公開を伝えた。このビルドから「Cortanaアプリ」が削除されている。該当バージョンへアップグレードすると自動的にアンインストールが実施される。MicrosoftはCortanaの削除を決定しており、今回の動きはその取り組みのひとつとなる。
MicrosoftはWindowsなどを支援するパーソナルな仮想アシスタントとして「Cortana」を開発しWindows 10やWindows 11といったプラットフォームに導入してきた。自然言語での問いかけが可能で音声コマンドに対応しているほか、Cortanaを使った情報獲得、Windowsの操作、メールの送受信、天気の確認、リマインダの設定といった日常のタスクを行うことができる。Cortanaは後にその機能を拡張させビジネスユーザを支援する機能としても導入されている。
しかし、2022年11月にOpenAIによってサービスが開始された「ChatGPT」の登場以降からその存在意義が大きく変化した。ChatGPTの提供する対話力や情報検索力はCortanaよりも遥かに強力で自然であり、ChatGPTの登場以降はCortanaについて再考が必要になった。
MicrosoftはOpenAIへ出資していることもあり、ChatGPTで採用されている技術を利用することができる。同社は最終的にWindowsに導入する新しい機能が十分に従来のCortanaの代替になるとし、Cortanaを引退させることを決定した。いくつかの機能が代替となるが、特にWindowsに導入されるCopilotやアクセシビリティ機能がその役割を担うことになると考えられている(参考「WindowsにおけるCortanaサポートの終了を発表、Microsoft | TECH+(テックプラス)」)。
Microsoftはすでに先行してWindowsで動作するCopilotの試験的な提供を開始している。一般公開されるにはまだ時間が必要だが、そう遠くない段階で完全にCortanaからこうした新機能への移行が実現するものとみられる。