NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアらNTTドコモグループ3社は9月28日、自然と共生している未来の実現に向けてTNFDレポートを公開したことを明らかにした。レポートは、生物多様性への取組を事業と一体で進めるために、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)による「TNFDの自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v.0.4」を参照したものとのことだ。

また、NTTドコモはTNFDの議論をサポートしネイチャーポジティブへの貢献を支援するため、TNFDの理念や活動を支持し経験と知識を提供する組織や機関、企業、団体などで構成するTNFDフォーラムに2023年9月から参画しているという。

NTTドコモグループはTNFDへの対応として、同タスクフォースが推奨するLEAPアプローチ(Locate:優先地域の特定、Evaluate:依存と影響の把握、Assess:重要リスクと機会の評価、Prepare:対応・報告への準備の順に分析・評価を行うアプローチ)に基づき、自社の自然関連の依存・影響、リスク・機会の分析を行ったという。また、その上で「ガバナンス」「戦略」「リスクと影響の整理」「指標と目標」の4つの柱で取り組み状況や分析結果を整理した。

さらに、同レポートでは自社のバリューチェーンを考慮した地域性分析を行い、「保護価値の高い土地の開発」「周辺生態系への影響」「資源採掘」を重要課題に位置付け、これらのリスク・機会が事業に与えうる影響を検討している。

特に「周辺生態系の影響」の把握では、NTTドコモの基地局が及ぼす影響を全ての鉄塔の位置情報を用いて、生物多様性重要地域の地理情報から生物多様性リスクを評価し、ホットスポット(潜在的に生物多様性リスクの高いエリア)の割合を特定して開示した。

こうした検討の結果、重要課題がNTTドコモグループに直ちに著しい悪影響をおよぼす項目はないことを確認できたとのことだ。また、スマート林業や自治体での生態系保全、研究機関での生態系調査へのICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)活用など、生物多様性の保全に貢献しうる自然関連の機会が複数あることも確認できたという。