宮崎県宮崎市に拠点を置く山﨑と、太陽光発電を活用したソリューション提供を行うソーラーフロンティアは9月26日、山﨑における消費電力の100%再生可能エネルギー(再エネ)化に向け、太陽光発電設備の開発および自己託送制度の利用において協働を開始することを発表した。

2023年9月23日に創業70周年を迎えた山﨑は、持続可能な社会づくりに貢献するためSDGs宣言を策定したとのこと。そして今回の取り組みはそのうち7番目の目標である「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を具現化するものだとする。

一方のソーラーフロンティアは、太陽光発電の主力電源化に向けた3つの課題(設置場所の限界・発電所の長期安定利用と太陽電池パネルの大量廃棄・系統電力システムの需給安定化)に対する具体的なソリューションを提供することを目指し、次世代型システムインテグレータへの業態転換を図っている最中だ。また同社は7月19日、宮崎市との間で「ゼロカーボンシティみやざき」の実現に向けた相互協力に関する連携協定を締結しており、宮崎での太陽光発電普及に向けた取り組みを推進しているとする。

両社は今般の取り組みの第1弾として、9月18日に開業した山﨑都城営業所の屋根に、ソーラーフロンティアが設計した太陽光発電システム(設置容量213.61kW)を設置。そこで発電した電気のうち約45%を自家消費するという。また残りの電気については、自己託送によりそれぞれ約40km離れた山﨑本社および山﨑宮崎営業所(いずれも宮崎市)へと送電されるとする。なおこの送電は2024年より開始する予定で、九州電力の一般送配電線を利用して行われるとのこと。この取り組みにより山﨑は、年間約90tのCO2排出量を削減するとしている。

  • 再エネ電力の供給拠点となる山崎都城事業所

    再エネ電力の供給拠点となる山崎都城事業所(出所:ソーラーフロンティア)

  • 電力の需要施設である山﨑本社

    電力の需要施設である山﨑本社(出所:ソーラーフロンティア)

また山﨑の100%再エネ化実現に向け、都城営業所・本社・宮崎営業所において自家消費および自己託送で賄いきれない電力については、出光グリーンパワー(2024年4月に出光興産に吸収合併を予定)が供給するプレミアムゼロプランに切り替えて利用するとのことで、これにより消費電力はすべて再エネ由来になるという。

  • 今回の取り組みのイメージ図

    今回の取り組みのイメージ図(出所:ソーラーフロンティア)

ソーラーフロンティアによると、同社が自己託送代行サービスを提供するのは、関東エリアにおける東武グループに次ぐ事例であり、九州エリアにおける複数拠点への自己託送としては初めての事例だという。そして同社は今後、同様のサービスにおける対応エリアを全国に広げていくとした。

今回の協働開始に際し、山﨑 代表取締役の山﨑正嗣氏は「この度の自己託送はわが社として初の取り組みであり、消費電力100%再エネ化に向けた大きな進展になる」としたうえで、今後も「私たちが未来に向かってできる事は何か、常に前向きにとらえ、地域社会へ貢献したい」とのコメントを残している。