富士通は9月22日、本社機能を汐留(東京都港区)から神奈川県川崎市へ移転することを明らかにした。同社が2020年7月に打ち出した働き方のコンセプト「Work Life Shift」をさらに進化させ、リモートワークの促進とデータの活用によって生産性の向上を図るようだ。
具体的には、首都圏における当社主要拠点である川崎工場(川崎市 中原区)、Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(川崎市 幸区)、富士通ソリューションスクエア(東京都 大田区)において拠点ごとの機能を明確にし、集約するとともに機能に合わせて環境を整備する。コーポレート部門や顧客対応のフロント部門などが入居している汐留シティセンターからは、2024年度上期中に全部門が移転する予定。
汐留シティセンターにあるコーポレート機能や各地に点在するテクノロジー開発機能は、テクノロジーの中核拠点である川崎工場に段階的に集約し、2024年4月より拠点名称をFujitsu Technology Parkとする。ここでは、各種行政機関や近接する等々力緑地の再編整備実施計画とも連携しながら、従業員および地域全体のウェルビーイング向上や最先端テクノロジーの実証実験を目的とした再開発を検討する。
Fujitsu Uvance Kawasaki Towerについては、汐留シティセンターをはじめ首都圏内の各拠点に在籍しているフロント部門・事業部門(関係会社含む)を集約し、「Fujitsu Uvance」ブランドの事業を展開する。「Work Life Shift」について見学できるライブオフィスツアーや、他社とのコラボレーションスペースである「F3rdX」「F3rd Lab」のさらなる活用にも注力する。
また、首都圏に点在するシステム開発のプロジェクト拠点は、富士通ソリューションスクエアに集約し、その名称をFujitsu Solution Squareとする。防災機能の高いこの拠点に開発拠点を集約することで、事業継続の強化を図るとともに高セキュリティかつ快適な開発環境構築を目指す。
同社はこれまでにも、Work Life Shiftのもとで、従業員が主体的に業務の目的に応じて働く場所や時間を選択できる働き方を取り入れてきた。オンラインを中心としながらも、生産性やエンゲージメントの向上を実践しているという。
今回、各拠点ごとの機能を明確化し、さらに外部シェアードオフィスの活用を進めることで、首都圏エリアの固定的なオフィスを縮小する方針とのことだ。さらに、データ活用によって従業員の働き方を可視化することで、ビジネスや業務の目的に応じた最適な働き方をこれまで以上に支援するとのこと。
富士通は今後について、従業員個人の生産性向上にとどまらずチームとしてのパフォーマンス向上を実現し、グループの企業価値向上や顧客企業の課題解決、さらには社会の持続的成長に貢献するとしている。