日清紡マイクロデバイスは、米Ainosの「においセンシングプラットフォーム」を活用した新たなサービスの創出に向け、Ainosと稲畑産業の台湾法人Taiwan Inabata Sangyoの3社による共同開発契約を締結したことを発表した。

日清紡マイクロデバイスでは、人間の五感の1つである「嗅覚」を電気的に検出して識別するセンシング技術は今後成長が期待される分野だとの認識を示しており、この分野の技術課題の解決につながる可能性があるAinosの「においセンシングプラットフォーム」を活用することで、産業界における設備の老朽化や人手不足などの重要な社会課題を解決、新たな市場におけるビジネス展開を目指していくとしている。

においビジネスは現状、ヘルスケアやセンシング、環境制御などへの応用の可能性について検証が行われているが、センサーや信号処理、AIアルゴリズム、クラウドにおけるビッグデータ活用で構成されるAinosのにおいセンシングプラットフォームは、従来のにおいセンシング機能を強化し、より人間の鼻に近い効果的な電子鼻を実現できるとのことで、今回の3社の協力に基づき、においに関するセンシングの技術力を結集し、工場などの産業分野において、いつもと違う「におい」を見える化することで、設備や環境の異常を早期に発見できるサービスを2025年に立ち上げることを目指すとしている。

なお、日清紡マイクロデバイスでは、この取り組みを通じて、既存のアナログ半導体デバイスの開発・製造に加え新たな市場でのソリューション提供を進めていくことで、産業界の進化と発展に貢献していきたいとしている。