アドビは9月19日、全国のビジネス・パーソンを対象に実施した「ビジネスパーソンの環境貢献意識」の調査結果を発表した。これによると、ビジネス・パーソンが貢献できていると思う環境貢献活動のトップはペーパーレスだった。
同調査は同社が6月2日~5日にかけて、営業、広報・宣伝、法務、情報システム、総務・人事、経理・財務、経営・経営企画の7職種に従事するビジネス・パーソンを対象としてインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は1050人。
自身の勤務先が環境貢献できていると感じるか尋ねると、「できている」との回答は37.1%に留まった。
自身が貢献できていると思う環境活動を聞いたところ、ペーパーレスが55.8%で最多だった。
ペーパーレスに関して意識的に紙出力を減らしている資料を質問すると、打ち合わせ資料が49.3%と最も多く、以下、掲示物や報告書など組織内の提出資料(40.6%)、業務マニュアル(30.3%)が続く。
紙の方が丁寧だからとの理由で資料を紙で出力した経験の有無を尋ねたところ、あるという回答者が58.6%に上る。
法務担当者に環境貢献活動において苦労している点を質問すると、「契約書などの紙資料が減らない」が45.3%と最も多く、他の選択肢と比べて20ポイント以上の差を付けている。
電子契約・電子サインの導入については、「紙資源を削減することに貢献できると感じる」という回答が51.3%を占めた。
経理・財務担当者に、経理業務におけるペーパーレス化を進行したいと思うか尋ねると、50.6%が「そう思う」と回答した。
その理由では、「書類の保管場所が少なくてすむから」や「紙出力にかかる費用がもったいないと感じるから」など、紙出力によるコストに関する理由を挙げる回答者が過半数に上っている。
請求書などの経理業務のペーパーレス化に関して困っていることを聞いたところ、「社内での紙依存意識が強い(文化・慣例が残っているなど)」が32.7%と最多だった。 経理・財務担当者を困らせているのは、システム面などでの課題以上に会社の文化面での課題のほうが大きい傾向にあると、同社は分析する。
今回の調査結果を受け、同社マーケティング本部デジタルメディア ビジネスマーケティング執行役員の竹嶋拓也氏は、「今回の調査で、半数以上のビジネス・パーソンが環境貢献に寄与するための活動として、ペーパーレスを実践していることが明らかになりました。一方で、ビジネス・パーソンの約6割が『紙の方が丁寧だから』という理由で、紙で出力した経験があると回答しました。経理・財務担当への調査では、回答者の3割超が、文化や慣習による『社内での紙依存意識の強さ』がペーパーレスに移行する際の障壁になっているとしており、意識変革によって解決される課題も見えてきました」とコメントしている。