Microsoftは9月7日(米国時間)、「Microsoft announces new Copilot Copyright Commitment for customers - Microsoft On the Issues」において、Copilotに関する新しい著作権コミットメント「Copilot Copyright Commitment」を発表した。顧客が生成AI「Copilot」の生成する出力を使用したことで第三者から著作権侵害で訴えられた場合、顧客がMicrosoft製品に組み込まれたガードレールとコンテンツフィルタを使用している限り、顧客を弁護して訴訟によって生じた和解金をMicrosoftが支払うと説明している。

  • Microsoft announces new Copilot Copyright Commitment for customers - Microsoft On the Issues

    Microsoft announces new Copilot Copyright Commitment for customers - Microsoft On the Issues

今回発表された「Copilot Copyright Commitment」はMicrosoftの既存の知的財産保証範囲をMicrosoftの商用CopilotサービスおよびMicrosoft Bing Chat Enterprise有償版まで対象を広げるものとなる。対象となるCopilotが生成する出力を含めて著作権クレームに対応するもので、これらにはMicrosoft 365 Copilotが含まれており、Microsoft Word、Microsoft Excel、Microsoft PowerPointなどにおいて生成AI(Generative Artificial Intelligence)を使った文章推論や推敲などの結果なども含まれることになる。

Microsoftは大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)技術に基づく生成AI技術の適用を進めており、すでに複数のサービスでこれら技術を利用した支援機能が提供されている。こうした機能はこれまでの支援機能とは異なりすでに大幅な業務改善を実現している。Microsoftは今後この技術をさらに多くのサービスで利用することを計画している。

しかし一方で、こうした新しい技術が著作権に関して議論を提起しているという側面もあり、どのように法律の整備が進むかも含めて議論が起こっている最中にある。今回Microsoftが「Copilot Copyright Commitment」を発表した背景には、Microsoftが著作権に関するリスクを負うと明言することで、ユーザーにこうした技術の利用を止めることがないようにする狙いがあるものと見られる。

2022年11月にOpenAIがChatGPTの提供を開始して以来、世界中の人々が生成AI技術のもたらす業務生産性の高さを体感している。一方で、著作権に関する懸念を指摘する声も高まっている。業務改善を実現する有望な技術であるだけに、今後著作権など法律に関する整備や解釈がどのように進んでいくのかが注目される。