MicrosoftはWindowsのデフォルトのWebブラウザを「Microsoft Edge」に設定し、Windowsユーザーに対しこのWebブラウザを使うように促している。Microsoft Edgeには、他のWebブラウザが備えていない機能もあり、一般的に便利なWebブラウザだ。しかしながら、世界中の多くのユーザーはGoogle Chromeを使うことを選択している。
WindowsはデフォルトのWebブラウザを切り替える仕組みを提供している。Google Chromeを使っているユーザーはデフォルトのWebブラウザをGoogle Chromeに設定し、使い慣れているWebブラウザを使い続けている。しかしながら、このデフォルト設定はいくつかのシーンで機能しないことが知られている。
例えば、Windowsではシステムのデフォルトリンクを開く際、デフォルトのWebブラウザではなくMicrosoft Edgeを使うようになっている。このような理由からGoogle Chromeを使っていてもどこかのタイミングでMicrosoft Edgeが起動していることがある。こうした挙動を嫌うユーザーがより深い設定変更の方法やツールの開発などを行って挙動の変更に取り組んでいるが、Microsoftはそうした取り組みを防止するなどして、Microsoft Edgeの使用を促している。
しかし、この状況は欧州経済領域(EEA: European Economic Area)では変わる可能性が出てきた。Windows 11の開発版において、一連の挙動が変更になったことが伝えられた(参考「Announcing Windows 11 Insider Preview Build 23531 (Dev Channel)|Windows Insider Blog」)。
Microsoftによると、Windows 11開発版(Windows 11 Insider Preview Build 23531 (Dev Channel))では、欧州経済領域(EEA: European Economic Area)においてWindowsのシステムコンポーネントはリンクを開く際にMicrosoft Edgeではなくデフォルトに設定されたWebブラウザを使うように挙動が変更されたという。欧州経済領域には欧州連合(EU: European Union)に加盟する27カ国にノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインが含まれている。
しかし、欧州経済領域以外に関しては言及がなく、日本や米国ではこれまでどおりにMicrosoft Edgeがシステムリンクのオープンに使われる。今後、この挙動が欧州経済領域以外の国や地域に関しても適用されるのか、本稿執筆時点では明示されていない。