Elon Musk(イーロン・マスク)氏の影響力はX(Twitter)、Teslaだけではない。宇宙事業のSpaceXがStarlinkとして展開する衛星インターネットサービスについて、その圧倒的な力に懸念も出てきているという。
マスク氏は2019年以降、ほぼ毎週のペースでSpaceXロケットを宇宙に送り“ソファぐらいの大きさ”の衛星を軌道に載せているという。現在、4500基以上の衛星が宇宙にあり、同氏は今後数年内に10倍近くとなる4万2000基を送り込む計画をしている。
このような衛星インターネットは、一般的な家庭や企業だけでなく、紛争や自然災害により既存インフラが崩壊した地域で唯一の通信方法として利用されることが多い。
記事によると、ウクライナでは4万2000台のStalinkターミナルを実装、ドローンを利用した攻撃、情報収集の調整に使われているという。イラン、トルコの活動家、米国務省、日本でも自衛隊が実証実験を行っている。
一方で、この分野はまだ規制が少なく、Starlinkが「ほぼ完全に支配」していること、マスク氏の性格、用途が国家保安に直結することなどから、懸念も出ていると記事は記している。ウクライナはStarlinkへの依存過多を懸念して、他の衛星インターネット事業社と話をしたものの、Starlinkのカバーエリアに匹敵しなかったという。
台湾では、マスク氏と中国のビジネス上のつながりに対する懸念から、Starlink採用に消極的だという。その中国は、インターネットを政府が管理・検閲していることから、中国内ではStarlinkを有効にしないことをマスク氏に求めたことが明らかになっている。
中国や欧州では、自分たちで衛星インターネットを構築する計画があり、2020年に中国は1万3000基の打ち上げを登録したという。
世界の政府や軍は衛星インターネットにおけるマスク氏の影響力の懸念について、米国と協議している。それでも、Starlinkに匹敵する衛星インターネットはないという現状を7月28日付のNew York Timesがレポートしている。