レノボ・ジャパンとアドビは7月27日、7都道府県で勤務するビジネスパーソン2100人を対象にした「デジタルワークに関する調査」の結果を発表した。これによると、回答者の6割超が最も効率的と感じる働き方としてテレワークを取り入れた方法を選択している。
同調査は両社が4月21日~24日にかけて、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県のいずれかにある企業に勤める20~69歳の男女を対象に実施したものであり、調査対象者数は各都道府県300人の計2100人。
勤務先におけるテレワーク制度の導入状況を見ると、現在テレワークの制度がある会社は、全体の半数弱となる42.1%だった。
地域別では東京都のみ62.3%と過半数に上るが、他道府県はいずれも5割を下回っており、柔軟な働き方の推進度合いは地域間によって大きな差があるのが実態だ。
現在の勤務状況では、テレワーク非実施が全体の74.4%を占め、地域別のテレワーク実施者は東京都が48.0%で最多、北海道が14.0%で最少だった。
テレワーク実施者の平均テレワーク日数は約2.67日/週であり、週の半分以上で実施している。
デジタル・ワークの普及状況を、業務に関連するシステムへの外部からのアクセス状況やペーパーレス化(データ化)の面から見ると、勤務先以外からのアクセスが可能なデジタル・ツールやシステムは、電子メール(50.9%)やオンライン会議(33.5%)が上位に並ぶ一方で、デジタル作業における共同編集手書き活用(8.3%)、契約書など電子承認システム(14.8%」、オンライン・ストレージ(クラウド・サービス)(19.5%)は低い。
また、外部からのアクセスが可能なシステムが選択肢の中には1つも無いという回答者が4割近くに上っており、デジタル・ワークに必要な環境の整備が進んでいないことがうかがえる。
新型コロナウィルス(COVID-19)感染症の感染拡大(コロナ禍)以前と比べてペーパーレス化(データ化)が進んだ項目を尋ねたところ、打ち合わせ資料(20.2%)で最多であり、テレワーク実施企業に絞ると42.4%だった。
また、社内申請書や社内掲示物など社内資料もペーパーレスが増加しており、まずは社内関連のものからペーパーレス化を進める傾向にある。
オンライン会議への1日あたりの平均参加回数を見ると、2023年1月以降では約42.2%の回答者が1日に1回以上利用しており、コロナ禍以前と比べ約1.9倍だった。
テレワーク利用者に絞ると約88.4%がオンライン会議を毎日利用、さらにテレワーク利用者の約25.6%は平均して1日あたり4回以上オンライン会議に参加している。
最も効率的と感じる働き方を尋ねると、「テレワークを取り入れた働き方」が61.6%を占め、テレワーク未経験者も含めた6割以上の回答者がテレワークを望んでいる。
また、「出勤日を柔軟に調整できる働き方」や「決まった曜日・日数だけ出社指定日がある働き方」など、柔軟に調整できる働き方が効率的な働き方という意見も多く見られた。
テレワークが加速するために必要と感じる個人のスキルを聞いたところ、「PC操作の知識」が57.6%で最も多い。また、「PDFなどの文書作成~管理の知識」(52.5%)も上位に挙がり、日常的に実施する業務に関連する内容への理解を深めることがテレワークの加速へつながると、半数以上の回答者が考えている。
テレワークにおいて今後勤務先に期待することを尋ねると、「引き続き在宅勤務の継続」が54.8%と最多であり、テレワーク実施者の半数以上がこれからもテレワークの継続を希望している。2位は、「個人の働き方の自由な選択」(32.2%)だった。
オフィスでしかできない業務やアクセスできないシステムがあるとテレワークが進まないという背景もあるため、会社に柔軟な働き方を実現するための環境面での改善を求める回答も多く見られた。