新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7月25日、「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」で、MIRAI-LABOは、道路面に敷設できる太陽光発電パネル「Solar Mobiway」と中古電気自動車(EV)から排出されたバッテリーを再利用するEVリパーパス蓄電池を組み合わせた「自律型エネルギーインフラAIR(Autonomous Intelligent Road)」を、オリエンタルランドの協力のもと同社の本社敷地内(千葉県浦安市)に設置し、バッテリーコントローラーおよび自律電源システムの実証実験を開始することを発表した。期間は7月18日~2024年7月17日(予定)。

  • オリエンタルランド本社敷地内歩道(左)と車道(右)に設置した「自律型エネルギーインフラAIR」

    オリエンタルランド本社敷地内歩道(左)と車道(右)に設置した「自律型エネルギーインフラAIR」

実証実験では、充放電を同時に行いつつ無瞬断にバッテリーを切り替えることが可能なバッテリーコントローラーの機能確認を行う。具体的には、新たに開発したEVリパーパス蓄電池用の無瞬断バッテリー切り替え制御方法と、切り替え時の過電流に対応可能な安全監視機能について機能を確認し、性能改善に向けた検討を行う。

発電時、人や車両が太陽光路面発電パネル上を通行する際の影の影響で発生する電圧や電流、発電量の変動データを取得・検証するとともに、蓄積したデータを基に、既存のMPPT制御よりも発電効率を向上させた太陽光路面発電用の新MPPT制御アルゴリズムを開発し、実用性の確認を行う。

  • 影が発生するイメージ

    影が発生するイメージ

さらに、これらを組み合わせた「自律型エネルギーインフラAIR」としての性能評価を行う。1年間を通じて不日照時でも安定した電力を72時間連続で出力可能であることなど、システム仕様の確認を行うとしている。

MIRAI-LABOは「自律型エネルギーインフラAIR」を全国のテーマパークや遊園地に提案・展開することをめざしており、この実証実験をきっかけに、コンビニやショッピングモール、公園、学校施設など自然エネルギーを導入できる敷地を保有しつつも、導入に苦慮する企業や団体、自治体に対しての提案を計画している。この実証実験によって蓄積したデータを基に、2025年度の事業化をめざすということだ。

また、NEDOは、再生可能エネルギーの導入促進・普及拡大、低炭素・脱炭素化技術の開発促進に貢献するため、技術シーズから事業化までの研究開発の段階に応じて、再生可能エネルギーの主力電源化の達成に資する研究開発を引き続き支援するとしている。

  • 自律型エネルギーインフラAIRのイメージ

    自律型エネルギーインフラAIRのイメージ