富士フイルムは7月18日、メディカルシステム事業のさらなる体制強化に向けて国内グループ会社を機能軸で再編することを明らかにした。再編完了時期は2024年夏の予定。これにより、事業戦略立案や研究開発、販売・保守サービスの各機能をさらに強化するとしている。

同社は中期経営計画「VISION2023」に基づき、重点事業分野の一つに位置付けるヘルスケア領域での成長戦略を進める。この領域での成長を牽引するメディカルシステム事業では医療ITソリューションを事業の中核に据えており、医用画像情報システム「SYNAPSE」を基盤に、X線画像診断装置や内視鏡など各製品群を連携させて診断ソリューションをグローバルに展開する。

2021年3月には日立製作所の画像診断関連事業を買収し、富士フイルムの100%子会社となる富士フイルムヘルスケアを発足。同社グループが有する技術や製品などを利用して、医療現場の要望に対応するソリューションを展開する。

同年10月には国内の生産会社2社を統合して医療機器の生産機能を集約し、生産のリードタイム短縮とコストダウンを図るなど、シナジー創出による成長戦略を推進している。今回は、事業成長の一段の加速を目的として、事業戦略立案や研究開発、販売・保守サービスに関わる国内グループ会社を再編し、メディカルシステム事業のさらなる体制強化を進める。

具体的には、富士フイルムと富士フイルムヘルスケアが有する事業戦略立案・研究開発機能を、富士フイルムに集約する。グループ内の画像処理技術やAI技術に関する知見を融合し、製品・サービスのさらなる高付加価値化と、研究開発から製品の市場導入や事業化までの迅速化を狙う。

また、富士フイルムヘルスケアが持つ国内販売機能を、医療機器などの販売会社である富士フイルムメディカルに集約する。さらに、富士フイルムヘルスケアの子会社である富士フイルムヘルスケアシステムズを、富士フイルムメディカルの子会社であり医療機器の設置や保守サービスなどを担う富士フイルムメディカルサービスソリューションへ統合し、保守サービス機能を集約。販売・保守サービスの知見やノウハウを融合することで、医療機関への提案や顧客サポートを高度化するとしている。