Intel Pat Gelsinger CEOが2023年4月の訪中に続き、7月中旬にも中国を再び訪問し、自社製品の中国市場での拡販やパートナー企業との協業や提携拡大に向けた民間企業幹部や中国政府要人と協議した模様であるが、そのスケジュールは非公開となっていた。
そうした中、中国でネットワーク製品の企画、開発、製造を手掛けるH3C Technologiesが、自社の北京本社にIntelのGelsinger CEOらが訪れ、親会社である精華紫光集団のブライテン・リー会長およびH3Cのトニー・ユーCEO兼社長ら会談を行ったことを発表した。
H3Cは、中国におけるIntelの重要な顧客およびパートナーの1社であるだけでなく、戦略的なグローバルエコシステムパートナーでもあるため、H3Cの製品研究開発およびシステムエンジニアリング能力は、Intelのハードウェアおよびソフトウェアテクノロジーの幅広い応用を推進する上で重要な役割を果たしており、今回の訪中でそうした両社間の協業を今後どのようにさらに発展させていくかについて話し合いが持たれた模様である。
生成AIなどの新たなアプリケーションへの期待はコンピューティングパワーのさらなる向上要求へとつながっているH3Cも、Intelの第4世代Xeonスケーラブルプロセッサベースのサーバを市場投入しており、Intelの第2世代Gaudiアクセラレータ「Habana Gaudi 2」とも互換性があるサーバも提供している。
このほか、インテリジェント端末としてH3CとIntelは、x86アーキテクチャながらWindowsとAndroidの両方に対応するUltra HDディスプレイ「8K MagicHub」や、第13世代Intel Coreプロセッサベースのハイエンドラップトップなども発表している。
現在、両社はストレージ、HCI、プライベートクラウド、VCC、ネットワーキング、およびインテリジェントゲートウェイやクラウドベースの5Gスモールセルなどのほか、産業用インターネットやスマート産業ソリューションでも協力関係にあるとしており、H3Cでは、Intelの高性能かつ高電力効率のプロセッサ技術や液体冷却技術、インテリジェントな省エネソリューションを組み合わせていくことで、グリーンかつ高エネルギー効率なコンピューティングソリューションを共同で構築していくとしている。今回のトップ会談は、米中の貿易摩擦が激しくなっていく中、非軍事分野での協業を継続させ、発展させていくための方策について協議したものと見られる。