日本電信電話(以下、NTT)は7月18日、西洋的価値観と日本および東アジアの価値観が矛盾許容的に共存する価値多層社会、パラコンシステント・ワールドの実現を目指して、京都大学 文学研究科哲学専修 出口康夫教授と共に京都哲学研究所を設立することを発表した。

この研究所では、哲学を中心とした人文学に関する研究活動を通じて、現代社会の諸問題の解決につながるあらゆるヒト・モノ・コトが両立し共存できる社会を実現するための新たな哲学思想の構築を目指して、活動を進めるとのことだ。

また、国内外の企業の中長期的活動指針となり得る世界価値基準を提案し、価値多層社会における持続可能性な考え方となる新たな社会価値の形成にも寄与するとしている。現代社会の諸問題に取り組むため、哲学を中心とした人文学の研究を遂行し、日本および東アジアの価値観を、西洋思想と対話可能なオルタナティブ(同位思想)として哲学的に体系化するという。

同研究所ではこうした思想の社会提案と実装を進め、西洋的価値観と非西洋的価値観が矛盾許容的に共存する価値多層社会の実現を目指すとともに、社会への積極的関与を志向するエンゲージング(積極関与)人文学の興隆を図る。世界有数の歴史と伝統を持つ都市である京都を中心に活動することで、国際的に訴求力をもった運動体の形成を狙う。