大日本印刷(以下、DNP)は7月13日、参加者に対して各種シナリオを通じて理解と共感を促すロールプレイング型メタバース構築サービスの提供を開始することを発表した。同サービスでは、複数の参加者がコミュニケーションを取りながら課題解決やイベント参加が可能だという。

同社が2021年から展開する「XRコミュニケーション事業」の一環として、バーチャル空間を構築するXRロケーションシステム「PARALLEL SITE」の機能を拡充し、企業の研修やワークショップ、自治体の防災教育などに利用可能なサービスを開発したとのことだ。さまざまなテーマについて、楽しみながら理解と共感を深めるゲーミフィケーションの要素を活用している。

  • サービス利用のイメージ

    サービス利用のイメージ

同サービスは「チュートリアル(操作方法)」「シナリオ体験」「フィードバック(体験結果に対する評価・解説)」のテンプレート(ひな型)で構成されており、教育やワークショップ、謎解きイベントなど複数のシナリオに対応可能だ。

それぞれのシナリオは1組4人を基本として、複数人で参加できる。同じ時間帯に最大で10組まで体験できるため、大規模な企業研修やイベントなどにも対応する。チケット機能によって、参加者を限定したイベントも可能で、チケット機能を活用することで有償でのサービス提供もできる。

シナリオ体験では、さまざまな役割を割り振られた参加者がその役になりきって、ボイスチャット機能を使いながら協力して課題の解決を目指す。また、「フィードバック」では各参加者が達成状況に応じて評価される。参加者は個々の内容を振り返り、自身の課題発見や成長につなげられる。

また、企業や団体、自治体の要望や課題に応じて、さまざまな個別のシナリオを作成できる。DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する人材の育成研修や、地域に根差したリアル宝探し、SDGsについて楽しみながら学べる謎解きなど、幅広いジャンルでシナリオを提供し、そのラインアップは今後拡充する予定だ。

メタバースの空間利用料は1件当たり900万円からで、運用費は月額50万円。その他に初期セットアップ費とシナリオ組込費が別途発生する。