2023年1月、MicrosoftはWindows 10およびWindows 11において、一部の環境で[スタート]メニューやWindows検索、UWPアプリが期待通りに動作しなくなる問題が発生していることを報告した。それから半年経過した6月27日、累積更新プログラムKB5027303およびKB5027293において、同社はこの問題への根本的な対策を完了した。問題の原因はレジストリキーまたはデータが破損しているとされていたが、これまでは修正パッチは提供されず、一時的な回避策を提示するにとどまっていた。

もともとの問題は、2023年1月24日にWindows 10および11のサポートページの「既知の問題」リストにおいて報告された。これによると、一部のユーザーの環境で[スタート]メニュー、Windows検索、およびUWPアプリが期待通りに動作しないか、または起動しない問題が発生しているとのことだった。影響を受けたWindowsデバイスでは、レジストリのキーまたはデータが破損しており、Microsoft Office APIを使ってWindowsやMicrosoft Office、Outlook、Outlook Calendarとの統合を使用しているアプリが正しく動作しなくなるリスクがあるとされていた。

  • スタート メニュー、Windows Search アプリ、UWP アプリで開く際に問題が発生する可能性がある

    スタート メニュー、Windows Search アプリ、UWP アプリで開く際に問題が発生する可能性がある

Microsoftは、この問題に対する一時的な回避策を、次のトラブルシューティングページで公開している。

直接的な原因は「HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\User Shell Folders」のレジストリパスからアプリケーションパッケージのアクセス許可が削除されていることであり、これを正しく設定するためのPowerShellスクリプトを実行すれば、問題を回避することができる。

今回リリースされたKB5027303およびKB5027293には、この問題の根本的な対策が含まれている。ただし、これらはプレビューの更新プログラムであるため、適用するにはWindows Updateから手動でインストールを実施する必要がある。正式なリリースは2023年7月11日に行われる予定となっている。