ファンケルは、キリンとの共同研究において、「白麹菌」に含まれる「14-デヒドロエルゴステロール」(14-DHE)が美肌機能に関わる酵素「アルギナーゼ1」を増やし、糖化ダメージを抑制。老化促進が抑制されることによるアンチエイジング効果があることを発表した。
同研究成果の一部は、すでに2020年9月に開催された第20回日本抗加齢医学会総会にて発表済みだという。
体内のタンパク質と糖が結合した糖化タンパク質「AGE」が、細胞の表面にある糖化タンパク質受容体「RAGE」に付着すると、細胞の糖化が加速しダメージを引き起こすことから、細胞の老化を促進するといわれている。
そこで研究チームは、抗糖化機能のあるアルギナーゼ1を増やす14-DHEがAGEやRAGEにどのような影響があるかについての研究を実施した。
具体的には、培養表皮細胞に14-DHEを添加し、RAGEの発現量を測定。その結果、14-DHEを添加した培養表皮細胞ではRAGEを減少させることを確認したという。
また、細胞の糖化ダメージに対する14-DHEの効果測定として、培養表皮細胞にAGEと14-DHEをそれぞれ添加して評価したところ、AGEにより細胞内の糖化ダメージは高くなったものの、14-DHEを添加するとAGEの糖化ダメージが抑制されることを確認したとする。
さらに、これまでの研究から報告されているアルギナーゼ1が酸化や紫外線などのさまざまなストレスによって増加する老化シグナル「pp53」を減らし、シミや皮膚炎症・老化を制御する効果があるという知見を用いて、そのアルギナーゼ1を増やす14-DHEの老化シグナルへの影響についての調査。培養表皮細胞に14-DHEを添加し、老化シグナルpp53の発現量と細胞内エネルギー産生を測定したところ、14-DHEによって老化シグナルpp53が低下するとともに、表皮細胞のエネルギー産生が増加して細胞が活性化し、肌の老化を抑制する効果が示されたとという。
なお、同社では14-DHEのアンチエイジング機能を応用し、今後も加齢や乱れた食生活で増加する糖化による老化リスクの低減を目的とした製品開発を進めていきたいとしている。