キャディは6月19日、地政学リスクや社会情勢の変化によるサプライチェーンの課題解決を支援する新サービスとして、「サプライチェーン分析診断サービス」の提供を開始したことを発表した。

近年、ウクライナ危機や米中問題などによる経済対立の激化や、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた工場の稼働停止および物流の混乱が発生し、製造業におけるサプライチェーンの不確実性が増大している。

また日本国内においても、製造業就業者の減少や高齢就業者比率の増加によって製造業の基盤が弱まり、スキルの属人化など、将来の事業に対するリスクが甚大になっていくことが予想される。

こうした状況の中、製造業のサプライチェーン変革を目指すキャディは2022年、製造業従事者に対して「サプライチェーン・調達課題に関する調査」を実施。その中で、調達や購買における方針・戦略を見直す必要があると回答した人は、部長層以上で9割を超える結果となったとする。しかし、実際に調達課題に対して何かしらの対応を行ったと回答した割合は、全体の57.2%にとどまっており、課題対応の工数や戦略実行のハードルから、中長期戦略の策定や実行が先送りになっている現状が浮き彫りになったという。

また同社は、産業装置用の加工品を提供する「CADDi MANUFACTURING」事業を展開する中で、「サプライチェーンに不安や課題感はあるが、どこに具体的な課題があるのかわからない」などの声が寄せられたとする。

そこで今般キャディは、メーカーの調達データ・組織体制や社内のDX状況を分析し、価格が強い領域や設計図面の特異性、品質基準における課題などを診断することで、最適なサプライチェーン戦略を提案する新サービスの提供開始に至ったとしている。

新サービスでは、生産キャパシティ・価格パラメータ・サプライヤとの関係性などといったさまざまな角度からの分析、および品質管理における暗黙知の度合いなど、サプライチェーンの柔軟性や強靭性を診断する。またその結果を基に、「キャパシティ拡大と原価低減のリバランス案」や「DXツール活用に伴う工数削減インパクト」を提案するとのことだ。

  • 「サプライチェーン分析診断サービス」における分析の流れの一例。

    「サプライチェーン分析診断サービス」における分析の流れの一例。(出所:キャディ)

なおキャディは、前出のCADDi MANUFACTURINGおよび図面データ活用クラウドサービス「CADDi DRAWER」の2つの既存事業に加え、サプライチェーン分析診断サービスを提供することで、調達における不確実性の特定や暗黙知の形式知化を行い、強靭かつ柔軟なサプライチェーンの構築をサポートしていくとしている。