ヤンマーは6月20日、自社で制作・プロデュースを手掛けるオリジナル商業アニメプロジェクトを本格稼働させ、作品タイトルを「未ル」(ミル)と決定したことを発表した。
同アニメの最大の特徴は、同社に所属し、農業機械や建設機械をはじめ、各種グラフィックなどのデザインに取り組んでいるデザイナーが登場するロボットのデザイン原案を担当していること。今回のロボットデザインも製品デザインと同様に、本質的な意味を込めたデザインを意識し、あくまでロボットは人のためにあるとの考えから、人に寄り添う有機的なフォルムと力強く機能的なアタッチメントを両立させるデザインを採用し、対極的な組み合わせとすることで、独特の美意識を表現したと説明している。
また、作品自体は、脱炭素社会への移行など、人と自然が共生することが求められる現在の持続可能な社会の在り方の模索を踏まえ、「人と自然の対峙と調和」をテーマに、自然という人間が生きていくために不可欠な住環境を守るべく、主人公が苦闘し成長していく姿、そこにあるロボットの姿をアニメで表現するとしている。
タイトルに採用された“未ル”には、主人公たちが「人の豊かさ」と「自然の豊かさ」を両立させた「未来」を切り拓いていく姿をイメージしたもので、また「未」は未来を表し、自分たちの力で積極的に動いていく姿を想起してもらえることを動詞化したものだともしており、困難なことがあっても、一人ひとりの挑戦によってよりよい明日を作っていくという、持続可能な社会の実現に向けたヤンマーの想いを込めたものでもあるという。
正式公開は2024年を予定しており、脚本はスタジオぬえの森田繁氏が担当する。
なお、作品タイトルの正式決定に合わせ、7月1日から4日(米国時間)まで米ロサンゼルスで開催される北米最大級のアニメイベント「Anime Expo 2023」に出展することも決定。会場のロビーにて、アニメに登場する巨大なロボットの立像とアニメのキービジュアルの展示、コンセプトムービーの放映などを行うほか、3日には同社の取締役でCBO(Chief Branding Officer)を務める長屋明浩氏と同展におけるメカデザイン・キービジュアル・コンセプトムービー企画・進行を担当するbtraxのBrandon K. Hill CEOによるアニメ「未ル」の概要と制作エピソードの紹介や、映像作家でキービジュアルのアートディレクター・イラストレーター・キャラクターデザインおよびコンセプトムービーのムービーディレクターを務めるYKBX氏によるライブドローイングも実施される予定だという。