チョコレートショップ、夏でも売れるチョコレートを開発 通年でECサイトの顧客獲得に成功

福岡で4店舗を運営するチョコレートショップは、夏場でも工夫した商品を販売し、売り上げを伸ばしている。夏はあまり商品が売れず悩むチョコレート販売事業者が多い中、同社は地元食材を使用した商品を開発し夏でも注文が多いという。

同社は以前、手作りにこだわっていたため、実店舗の運営に注力していた。約10年前にECサイトを開設したが、あまり力を入れてこなかった。コロナ禍にECサイトで商品が売れ始めたことをきっかけに、2022年からECサイト運営を強化し始めた。

コロナ禍にEC売り上げは右肩上がりに伸び、現在も落ち込むことなく成長を続けている。成長要因の一つが、夏にこだわりの商品を訴求したことだ。

同社は2022年夏、福岡・糸島市のレモンを使用した味わいが爽やかなチョコレートを発売した。

▲爽やかなチョコレート

「それ以前の夏場はアイスなどを中心に販売していたが、あまり売れなかった。地元素材を使用したチョコレートを開発し、当社らしい商品で勝負した」(佐野隆社長)と話す。

他にも太宰府市の梅や広川町のパッションフルーツを使用したチョコレートを売り出したところ、非常に好評だったという。

▲梅を使用したチョコレート

「チョコレートは夏に売れにくいが、当社の強みを生かし、素材を変えて販売したことが良かった」(同)と言う。

地元食材とのコラボ商品だけではなく、ユニークな商品開発にも注力している。今夏には、2022年によく売れた夏のチョコレートに磨きをかけた商品を販売すると同時に、新商品の開発にも取り組んでいる。

例えば、佐野社長がフェムテックマイスターを取得していることを生かし、「フェムチョコ」を開発する。男性が女性に贈りたいと思うような、女性の体に良いチョコレートだという。

「社内でアンケートを取り、スタッフの声を反映した商品を開発した」(同)と話す。

実店舗を運営している強みを生かし、顧客の要望を聞き、カカオ含有量の多いチョコレートの開発なども行っている。

同社は今後、売り上げ拡大を図るために、ECサイトをさらに強化していく予定だという。他にはない商品だけでなく、ECサイト限定の商品なども開発していきたい考えだ。

▲レモンのチョコレートの断面

商品画像の見せ方などを強化し、「シズル感」を伝えることで人気を高め、さらなる顧客獲得を狙う。

メディアで取り上げられる機会が多いため、同サイトに訪れる人は増えてきている。新規顧客獲得に向け、SNSなども強化していく予定だ。