エクサウィザーズは5月25日、生成AIに関するセミナーの参加者を対象に実施した生成AIの利用実態アンケートの結果を発表した。同調査は、生成AIに関するセミナーの参加者274社514名から回答を得たもの。
今回調査を実施するにあたり、エクサウィザーズは「ChatGPT」など生成AIの利用状況を、レベル1(関心なし)、レベル2(関心はある)、レベル3(試しに利用)、レベル4(時々使用)、レベル5(日常的に使用)の5段階に分類している。
これによって、約3分の1の人が、レベル5の「業務に取り入れて日常的に使用している」もしくは、レベル4の「時々使用している」と回答していることがわかった。一方で、レベル1とレベル2を合わせた「試していない」層も2割強存在している。
また今回の調査で、利用状況は業種によって大きく異なることも明らかになった。レベル5の「日常的に使用」は、専門サービス(22.2%)、サービス(13.6%)、IT /Webサービス(12.5%)において1割を超えている。卸・小売も7.7%と平均を上回る結果となった。反対に、製造(2.8%)や建設(0%)、電気・ガス・運輸など(0%)において日常的な本格利用が遅れている実態も明らかとなっている。
このような結果が生じている背景には、業種ごとに以下のような要因が影響している可能性があると同社は指摘している。
- 専門サービス:コンサルティング会社の比率が高く、調査・分析業務で活用
- サービス:生産性向上での活用を掲げる回答者が多いが、新規事業は高くない。人材サービスの参加者が多く、生成AIの人材スキルへの影響に関心が高い
- IT /Webサービス:生成AIが自社のソリューションやサービスに密接に関連して積極的に活用
- 金融・保険:大手金融機関での活用が相次いで発表されており、各社で利用意向が増している。
- 卸・小売:新規事業や顧客接点の改善での活用比率が高く、顧客とやり取りする取引データの活用などを検討している。
- 製造: 本社、研究・開発、工場などさまざまな事業拠点・機能があり、企業利用として統一の利用方針を打ち出すのが難しい。