IBMは、量子コンピュータの研究開発を支援し、量子コンピュータと古典コンピュータを組み合わせたスーパーコンピューター(スパコン)の開発を目指すことを目的に、東京大学(東大)ならびに米シカゴ大学に今後10年間で合計1億ドル(各校5000万ドルずつ)を投資する取り組みを発表した。

IBMのアービンド・クリシュナ会長兼CEOらが、直前までG7広島サミットが開催されていた広島市にて両大学と調印式を行うとともに、10万量子ビットを搭載した量子コンピュータを中心とするスパコンを2033年までに実現するとの目標を表明した。

IBMが東大とシカゴ大への投資を決めたのは、量子コンピュータの基礎研究からユースケースまでを幅広くカバーする形で開発を加速させる狙いからで、シカゴ大学には量子コンピュータと古典コンピュータを組み合わせた基礎研究を、東大には応用研究に期待をかけているようである。

東大は現在、企業における量子コンピュータのユースケース開拓に注力しており、トヨタ自動車や日立製作所などの企業が参加する「量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)」を主導している。

  • IBM Quantum System Two

    IBM Quantum System Twoの外観 (出所:IBM)