日立エナジーは5月11日、米国の再生可能エネルギー開発会社であるPattern Energyとの3,000MW、525kVのHVDC変換所2基の受注契約を完了したことを発表した。2026年のサンジア風力発電所の試運転に向け、2025年末までに納入予定。

  • SunZia送電プロジェクトの建設予定地

    SunZia送電プロジェクトの建設予定地

今回納入するHVDC変換所は、米国・ニューメキシコ州に建設される SunZia風力発電所とアリゾナ州の送電網を885km以上にわたり連系するサンジア送電プロジェクト向けのもので、日立エナジーの自励式HVDCシステム「HVDC Light」を用いる。

同社によるとこのプロジェクトは、米国南西部に再生可能エネルギーを供給する最大規模の自励式HVDCプロジェクトで、送電距離においても米国最長規模になるとしている。

  • SunZia 送電プロジェクトのルート

    SunZia 送電プロジェクトのルート

サンジア風力発電所は完成後、約300万人の電力需要を満たす3,500MWの発電容量を持つ予定で、日立エナジーはこのうち最大3,000MWを米国南西部の電力網へ効率的に届けるためのHVDC変換所を提供し、また天候などの不測の事態により電力の流れが一時的に中断された場合の復旧に用いる交流チョッパも提供するという。

同社はすでにこのプロジェクトにおけるHVDC変換所の設計とエンジニアリングに着手しており、今回納入する設備が既存の送電網に与える影響を考慮した最適な解決策を提供するための調査・分析を実施中だということだ。