三菱総合研究所は4月20日、Webからの情報収集および整理・レポーティングを自動化するAIツール「ロボリサ」に、ChatGPTなどで利用されている大規模言語モデル(LLM)を適用し、高品質な調査レポートを自動生成する機能を提供開始したと発表した。

「ロボリサ」は、日々レポーティングや情報整理業務などの業務の自動化を目指し、同社のシンクタンク・コンサルティング業務の経験と自然言語処理技術を活かして開発された、Web情報収集・整理・レポーティングツール。LLMは誤情報が出力されることが喫緊の課題だと言われているが、「ロボリサ」では誤情報を検知・削除する機能を搭載し、レポートの信頼性を高めているという。

同ツールは、公開されたWebサイトであらかじめ情報収集対象として設定したものから日々新着情報を収集・要約し、外国語情報は翻訳した上でデータベースに蓄積する機能を持つ。蓄積した情報は検索・閲覧やメール配信ができるほか、時系列のサマリーを生成するといったレポーティング機能も有している。

  • ロボリサで生成したレポートの一例(出典:三菱総合研究所 文章はGPT-3.5、画像はDALL-E 2で作成)

今回は、「GPT-3.5およびGPT-4を用いたレポート自動作成機能の実装」と「生成された文章に含まれる誤情報を検知・削除する機能の検証と実装」というレポーティング機能を大幅に強化した。

同社は、企業や官公庁の企画業務へのDX導入に積極的に取り組んでいるが、実用的な調査レポートの自動作成が可能になれば、経営企画や研究企画・新製品企画など、情報収集を日常的に実施している顧客自身の業務を大幅に軽減できることが期待できるという。