Amazonは4月13日、CEOを務めるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏が株主宛の書簡を発表した。これによると、マクロ経済の観点では「困難な年」が続いているが、Amazonは革新的な技術に投資をすると約束している。

ジャシー氏は創業者Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏の後任として、2021年7月にAmazon Web ServicesのトップからAmazonのCEOに就任。株主宛書簡を発表するのは2回目となる。

ジャシー氏は2001年のドットコムバブルの崩壊、2008年のリーマンショックなど過去の不況に触れ「この1年、尋常ではない数の困難が同時に発生したが、現実として大規模で動的、そして有能で資金力のある競合が存在するグローバル市場セグメントで事業をすれば、状況がそのまま長く停滞することはほとんどない。変化は常に角を曲がったすぐそこにある」としている。

Amazonは、2022年11月より合計2万7,000人という大規模な人員解雇を行い、従業員の減給も進めているといわれる。書簡では事業別にも見解を示している。

AWSでは、2022年は前年比29%増で成長したものの、顧客のコスト意識など「短期的な逆風を受けている」とジャシー氏。重要なことは、新機能の提供スピードを維持し、CPUなど長期的な技術革新に向けて投資する、としている。

ジェネレーティブAIについては「大規模言語モデル(LLM)とジェネレーティブ(生成)AIに重点的に投資している。Amazonは25年前から機械学習を幅広く活用し、さまざまな分野で活用しており、LLMとジェネレーティブAIは、あらゆる顧客体験を変革し、改善すると信じている」と続ける。

また、ジャシー氏は「AWSで長年行ってきたように規模を問わず、すべての企業がジェネレーティブAIを活用できるように、この技術を民主化していく。この2つの技術(LLMとジェネレーティブAI)は顧客、株主、そしてAmazonにとって大きな意味を持つことになるだろう」と記している。