Knowhereは、4月13日東京工業大学(東工大)学術国際情報センターの青木尊之教授が顧問に就任したことを発表した。

  • 東工大に設置されているスーパーコンピュータ「TSUBAME」の前で並ぶ青木教授とKnowhere代表取締役の伊藤氏

    東工大に設置されているスーパーコンピュータ「TSUBAME」の前で並ぶ青木教授(左)とKnowhere代表取締役の伊藤氏(右)

同社は、野球におけるピッチャー向けのAIを活用した動作解析アプリケーションを開発しており、スーパーコンピュータ(スパコン)を使った空気抵抗シミュレーションで「フォークボールが落ちる理由」を解明したことでも注目されている青木教授のノウハウを活かしたいとしている。

  • Knowhereが開発している、スマートフォン1台でピッチャーの動作解析、ボールの回転数などのトラッキングデータ算出ができるサービス

    Knowhereが開発している、スマートフォン1台でピッチャーの動作解析、ボールの回転数などのトラッキングデータ算出ができるサービス

ボールに対する空気抵抗の分析は、現在、メジャーリーグベースボール(MLB)でも多くの議論がなされており、注目されている分野だ。その中で、Knowhereは、「誰もがスポーツが上手くなれる環境を」をミッションに掲げ、人の感覚や経験などアナログに頼り効率的ではない野球トレーニングを、デジタル活用によって効率化し成果を高めることを目指している。

青木教授は、「野球に対して高度な計測技術が導入されるようになり、スパコンの性能が大きく向上し、さらに新しい計算技術が登場したことにより、縫い目まで反映したボールの空力解析ができるようになった。あたかもそのピッチャーと対戦していると錯覚するようなリアルなメタバースを作ってみたいと思っている」と述べている。

また、Knowhere代表取締役社長の伊藤久史氏は、「ボールの空気抵抗の計算量は膨大で、青木教授のような知識や経験、さらにはスパコンというものが揃わないと解明できない分野でもある。青木教授という心強い仲間と共に世界に挑戦していければと思っている」としている。

なお同社は現在、MLBの複数球団と交渉を重ねており、共同でのアプリ検証を実施しているほか、2023年中の米国展開を見据えて、資金調達を計画しているとした。