eVTOL(電動垂直離着陸機)を開発するベンチャー企業の米Archer Aviationは3月23日(現地時間)、米航空大手United Airlinesと共同で初のeVTOLを使った“空飛ぶタクシー”を2025年にも開始する計画を明らかにした。シカゴ・オヘア国際空港とシカゴ市内にあるヘリポートVertiport Chicago間を、10分で運ぶという。

  • Archer AviationのeVTOL

    Archer AviationのeVTOL

Archerは、eVTOLを開発するベンチャー企業。eVTOLは地面を垂直に離着陸可能で、電動、静音などの特徴を持ち、空飛ぶクルマの主流と見られている。

UnitedとArcherは2021年、Unitedがローンチ顧客とオペレーションパートナーとしてArcherに投資するなど、以前から提携関係にあった。

今回、2社はUnitedの最大のハブであるシカゴ・オヘア空港と、ダウンタウンのシカゴループ近くにあるVertiport Chicagoの間を、ArcherのeVTOLで移動できるようにする。機材はArcherの「Midnight」を使う。Midnightは航続距離最大100マイルが可能だが、12分の充電時間で20マイル程度の飛行を繰り返すことに最適化されている。

オヘア空港とVertiport Chicagoまではちょうど20マイル程度。これにより、これまでは車で45分、ラッシュアワー時には1時間以上かかっていた移動を、わずか10分に短縮できるとする。

両社はシカゴ都市部の住民や旅行者に、安全でサステナブル、静音、競争力のある価格で、地上での交通の代替を提供するという。現在、2025年のサービス開始を予定している。

また、両社は2022年11月に第1号としてUnitedがニューヨーク州に持つニューアーク・リバティ国際空港とマンハッタンのダウンタウンを結ぶ路線での計画を発表しており、今回は第2号となる。

このように空港と都市部を結ぶ路線を「トランク(幹)」とし、トランクルートを確立した後に「ブランチ(枝)」として周囲のコミュニティを繋いでいくという。