日本電信電話(以下、NTT)とKDDIは3月17日、光伝送技術およびモバイルネットワーク技術と、その運用管理技術など両社が共に強みを生かせる光ネットワーク分野の標準化に向けて基本合意書を締結したことを発表した。

両社はBeyond 5G / 6G時代の課題解決に向けて、APN(All-Photonics Network)を中心とした革新的通信技術を広めるために、世界中のパートナーらと共にオープンイノベーションを推進し標準化を目指すとしている。持続可能な大容量の光ネットワークを実現するとのことだ。

  • 両社が目指す姿の全体像

    両社が目指す姿の全体像

APNは電気処理を行わずに光波長信号のまま処理して伝送するできるため、低消費電力かつ低遅延な特徴を持つ。一方で、サービスごとに有限の光波長を効率的に割り当てる手法や、光ファイバー中や光増幅器での伝送品質劣化の抑制が課題だ。そこで、両社が強みとする光ファイバーやその関連技術、国内外での社会実装の実績を生かして、APNの実現やキャリア間の相互接続に向けた標準化活動を推進する。

また、両社はモバイルネットワークにAPNを適用するための技術の標準化活動も進める。基地局を含むコアネットワーク内や、エッジやクラウドがあるデータセンター間をAPNでつなげ、モバイル通信およびサービスの高度化に取り組む。

さらに、両社は光ネットワークの監視・制御技術の標準化活動を推進し、マルチベンダシステムにおいても信頼性の高い光ネットワークを実現するとしている。複数の光ネットワークを協調して監視制御するオーケストレーション技術を両社で検討し、強靭なネットワークに寄与するとのことだ。