ピュア・ストレージは3月16日、スケールアウト型の非構造化データストレージ「FlashBlade//E」を発表し、東京都内の本社で記者説明会を開いた。同製品の特徴はギガバイト単価の低さと、エネルギー効率の高さだ。4月末から一般提供を開始する予定。

  • 説明会の様子

    説明会の様子。左:田中良幸氏、右:岩本知博氏

オブジェクトストレージは性能の高さよりも価格の低さを優先する場合が多く、まだまだHDD(Hard Disk Drive)の需要は多い。「FlashBlade//E」は、ここに切り込むために打ち出したオールフラッシュの新製品となる。その名称は「Environmental」「Economical」「Effortless」「Everlasting」に由来するという。

  • 新たに発表した「FlashBlade//E」

    新たに発表した「FlashBlade//E」

とにかく"ギガバイト単価"を追求したオールフラッシュストレージ

「FlashBlade//E」のブレードの中に入っているフラッシュモジュール(他社製品のSSDに相当)はキオクシア製のものを用いているが、異なる世代の製品も使える設計となっているため、将来にわたって永続的な稼働を可能としている。異なる技術の混在にも対応する仕組みは、同社の従来製品では「Evergreen」と称していたが、今製品では「Everlasting」となっている。

ピュア・ストレージでプリンシパル・テクノロジストを務める岩本知博氏が「とにかくギガバイト単価を抑えることに特化した、すごくエコなオールフラッシュストレージ」と紹介するように、「FlashBlade//E」はコストの低さが大きな強みだ。ギガバイト当たりの単価は20セント以下だとしており、マルチペタバイト規模のストレージを経済的に実現できるそうだ。

  • 「FlashBlade//E」の特徴

    「FlashBlade//E」の特徴

岩本知博氏によると、Everlastingによる運用のコスト削減効果まで含めると、ニアラインSASと同程度かそれ以下のコストで利用できるという。データセンターで使用する非構造化データのためのオブジェクトストレージをオールフラッシュの「FlashBlade//E」にすることで、オールフラッシュのデータセンターを実現でき、消費電力の削減が見込めるとのことだ。

  • ピュア・ストレージ・ジャパン アジア太平洋・日本地域担当 プリンシパル・テクノロジスト 岩本知博氏

    ピュア・ストレージ・ジャパン アジア太平洋・日本地域担当 プリンシパル・テクノロジスト 岩本知博氏

同製品は、ブレードとCPUを搭載した「制御シャーシ」と、ブレードのみを搭載した「拡張シャーシ」の2種を展開する。ブレード単位でスケールアウト可能だが、1つのブレードに48テラバイトの4つのフラッシュモジュールを格納している。なお、このフラッシュモジュールは将来的にさらに大容量の製品へと入れ替えることができるという。

1対の制御シャーシと拡張シャーシが基本構成で、拡張シャーシを最大2台まで追加可能だ。制御シャーシではなくCPUを搭載しない拡張シャーシも展開するあたりに、性能を拡張するのではなく容量単価を抑えるための工夫が見られる。制御シャーシ1台当たりの消費電力は2300ワット、制御シャーシ1台当たりでは1600ワットだ。単純計算でも約3900ワットで4ペタバイトほどのデータを格納できる。

  • 「FlashBlade//E」の主な仕様

    「FlashBlade//E」の主な仕様

主なユースケースとしては、データ保護のためのレポジトリや、データレイク、テクニカルコンピューティングのための容量重視のストレージ、エンタープライズクラスのイメージングのリポジトリなどを見込んでいるとのことだ。

  • 「Sシリーズ」よりも低単価の容量重視なストレージを提供する

    「Sシリーズ」よりも低単価の容量重視なストレージを提供する

ピュア・ストレージはグローバル全体で堅調に成長

説明会には日本法人社長の田中良幸氏も登場し、2023年度(2022年2月1日~2023年1月31日)のビジネス概況を振り返った。同氏が昨年末に「快進撃を続けている」と述べたように、グローバル全体で好調に成長できたという。

  • ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏

    ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長 田中良幸氏

2023年度の収益は対前年度比で26%増となる27.5億ドル、第4四半期の収益は対前年同期比で14%増となる8.1憶ドルだ。特にas a Serviceモデルが好調だそうで、サブスクリプションによるARR(Annual Recurring Revenue)は第4四半期で11億ドルとなっている。

田中良幸氏は「FlashBlade//E」の発表にあたって、「もうディスクストレージは不要になることが決定的だろう」と強調して述べた。

また、特に日本市場に着目すると、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中で、同社はサブスクリプションモデルを含む柔軟なストレージの提供で貢献するという。省スペースで低消費電力の製品によって、企業のサステナビリティにも寄与するとしている。

「近年の日本では金融サービスや電話・通信などの領域が成長しているが、こうした業界に限らず全方位の産業をカバーできるようバランスよくお客様を支援していきたい」(田中氏)

  • ピュア・ストレージのビジネス振り返り

    ピュア・ストレージのビジネス振り返り